フランス杯 テロの影響で中止 SP成績をポイント換算か

[ 2015年11月15日 05:30 ]

フィギュアスケート・フランス杯の中止決定を聞く選手たち

 フランス南西部のボルドーでフリー演技を行う予定だったフィギュアスケートのGPシリーズ第4戦・フランス杯が、13日夜に発生した同時多発テロを受け中止になった。14日、国際スケート連盟が発表した。13日の男子ショートプログラム(SP)では宇野昌磨(17=中京大中京高)が首位に立ち、女子SPでは村上佳菜子(21=中京大)が4位につけていた。成績などの取り扱いについては今後協議する。

 パリを襲った悲劇の影響が、約500キロ離れたボルドーにも及んだ。中止となったフランス杯の成績の取り扱いについては未定だが、国際連盟(ISU)関係者によると、12月のファイナル(バルセロナ)出場を争うポイントは、SPの成績がそのまま換算される見込み。その場合、スケートアメリカ2位、今大会のSPで1位の宇野はファイナル進出となる。

 宇野はSPで冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を決めると、演技後半の4回転トーループ、3―3回転のコンビネーションも着氷。15年2月の四大陸選手権の88・90点を超える89・56点の自己ベストをマークし「今季一番の課題だったSPで、やっと練習の7割ぐらいの演技ができた」と話していた。

 ISUは警備を強化して開催する方針を決め、選手も練習していた。しかし、フランス全土が非常事態宣言下にあることから、フランス内務相とボルドー市長が、フランス連盟に大会の中止を指示。ISUもこれを受けて決定を下した。フランス連盟のガイアゲ会長は「非常に残念で、申し訳なく思う」と話した。

 日本の小塚あゆみチームリーダーは「選手たちは競技をしたかったと思うが、仕方がない」と宇野らの思いを代弁。カナダのソチ五輪銀メダリストのパトリック・チャンは「自分はフランスに友人もファンもたくさんいる。犠牲者の方に哀悼の意を表したい」と神妙な面持ちだった。

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