【こだわりの一品】豪風の歯の“お守り”マウスピース

[ 2015年11月14日 08:00 ]

マウスピースを持つ豪風

大相撲九州場所6日目

(11月13日 福岡国際センター)
 平幕・豪風は稽古や取組の前にそっと口に含むものがある。マウスピースだ。他の競技では珍しくはないが、一部の力士しか使っていない。きっかけは約10年前の岩木山(現関ノ戸親方)との一番。「ぶちかました」衝撃で下顎の左奥歯の神経を断裂した。現在はセラミックの歯が入る。以来、歯を守るために特注のマウスピースを使用する。

 1メートル72の小兵。相手の懐に入らなければ勝負にならない。当然相手からは激しく顔を突かれる。「(頭や顔から)目いっぱい行かないといけない。大変ですよ」。6日目の豊響戦も顔からぶつかって白星につなげた。

 かみ合わせる力が上がり、より全身のパワーも発揮できる。「稀勢の里関は力が出過ぎて筋断裂する恐れがあるので、マウスピースをしないそうです。私はうまく力が出る」。マウスピースは小兵力士に勇気を与える大切な“お守り”だ。

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2015年11月14日のニュース