内村、リオ五輪で5冠!世界選3冠も不満…狙うぞ日本最多

[ 2015年11月4日 05:30 ]

帰国し、笑顔で会見する内村

 体操の世界選手権に出場していた内村航平(26=コナミスポーツク)ら日本代表選手団が3日、羽田空港着の航空機で帰国した。エースとしてフル回転した内村は37年ぶりの団体金メダルを日本にもたらし、個人総合、種目別の鉄棒も制した。しかし、3冠を喜ぶ以上に鉄棒しか種目別決勝に残れなかったことを反省。来年のリオ五輪を見据えるキングの視界には、68年メキシコ五輪の中山彰規をしのぐ日本人最多の5冠獲りまでが見えている。

 居合わせた空港利用客の歓声を浴び、首から下げた金メダルがひときわ輝いた。しかし内村は表情をほとんど変えなかった。「日本に着いた瞬間に一気に疲れが出た。今すぐにでも家に帰りたい」。それが正直な感想だった。

 無理もない。団体では6種目全てに出場して日本を37年ぶりの金メダルに導き、個人総合では前人未到の6連覇、さらに種目別の鉄棒で自身初の金メダルを獲得した。跳びに跳び、回りに回って19種目を消化。疲れていないはずがなかった。

 とはいえ、一方で“もっとやれたはず”の思いも強くくすぶっていた。「本来なら種目別決勝に残れるはずなのに取れていない点数があった。しっかりやれば、もう少したくさんの種目で決勝に残れた」。頭部を強打した床運動は予選64位に沈み、平行棒は10位、あん馬も9位にとどまった。

 「結果は金でも演技には納得していない」と金メダル3つを手にしてもなお、精度と進化を求める気持ちは変わらない。「狙うのは団体金しかない」とリオ五輪での最優先事項は04年アテネ五輪以来の団体金メダル。しかし6種目全ての増強は必然的に種目別でのチャンス拡大につながる。

 92年バルセロナ五輪でシェルボ(ベラルーシ)が6冠(団体、個人総合、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒)を達成しており、日本では68年メキシコ五輪の中山彰規の4冠(団体、つり輪、平行棒、鉄棒)が最高だ。内村はこれまでに平行棒、床運動、鉄棒で世界選手権を制しており、団体を制すれば日本人最多の5冠まで見えてくる。

 年内は全日本団体選手権(29日、国立代々木競技場)、豊田国際(12月12~13日、愛知・スカイホール豊田)に出場予定。最後には「疲れたとは言っていられない」と自らを奮い立たせた。内村はまだまだ体操に没頭する。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月4日のニュース