内村鉄棒も金!世界大会最多メダル24個目 監物に並んだ

[ 2015年11月2日 05:30 ]

鉄棒でも金メダルを獲得した内村(AP)

体操世界選手権最終日

(11月1日 英国・グラスゴー)
 キングが金メダルで締めた。種目別決勝の鉄棒で、内村航平(26=コナミスポーツク)が15・833点で初優勝。団体総合、個人総合と合わせて今大会3冠で、世界選手権の金メダルを10に。五輪を含めた世界大会の通算メダル数は24とし、監物永三に並んだ。跳馬の白井健三(19=日体大)は14・516点で7位。平行棒の田中佑典(25=コナミスポーツク)は15・600点で7位。女子床運動の宮川紗江(16=セインツク)は14・933点で4位だった。

 キングがまた体操ニッポンの歴史に名を刻んだ。団体総合予選、決勝、個人総合で計18種目をこなし、今大会19種目目の種目別決勝・鉄棒で、最後の力を振り絞った。着地を決めた内村が、笑みを浮かべる。世界最強の体操選手を知る観衆が、大歓声で称える。五輪を合わせた世界大会のメダル数は合計24に。「メダルの数は気にしていない」と言うものの、監物永三に並んで日本最多のメダルホルダーになった。

 失敗したままで、舞台を去るのは許せない。37年ぶりに金メダルを獲得した団体決勝ではG難度の「カッシーナ」でまさかの落下。「最後の鉄棒がなぁ…」と優勝の喜びを半減させた。6連覇を達成した個人総合では鉄棒を前に2位と1・200点差をつけていたため、「カッシーナ」を抜いて難度を落とした。この日の種目別ではきっちり因縁の技を決め、メダルをたぐり寄せた。

 団体予選の床運動で頭を強打。致命傷になりかねない首にはあまり影響がなかったが、右肩に痛みを抱えながら闘い抜いた。逆境でキングを支えるのが、強じんなメンタルだ。過去も故障したまま世界大会に出場したことがあるが、今井トレーナーは「大会期間中に痛みが出なくなったりする。気合で治してしまうところがある」と説明。個人総合の後、内村も「疲労も痛みもあるけど、気持ちを強く持ってやってみたら、案外気にならなかった」と話していた。

 個人総合6連覇で16年リオデジャネイロ五輪の代表にも決まった。「五輪に向けた準備もできるし、いいことだらけ」。世界最強をあらためて証明した今大会が終わり、キングのリオ・ロードがスタートする。

 ▼内村航平の話 自分の体操の美しさを表現できた。美しくないと周りに影響を与えられない。世界一の選手として、率先してやっていくべきことを示せた。

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