東洋大22度目の伊勢路で初制覇 青学大も駒大も止めた

[ 2015年11月2日 05:30 ]

初優勝を果たした東洋大のアンカー・上村和生

第47回全日本大学駅伝

(11月1日 愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮、8区106・8キロ)
 東洋大が23度目の出場で悲願の初優勝を果たした。服部兄弟の兄・勇馬(4年)が1区、弟・弾馬(3年)が2区と連続の区間賞でスタートダッシュに成功。4区から青学大との争いになったが、ラストスパートで東洋大が5時間13分4秒で競り勝った。出雲全日本大学選抜駅伝を制し、3冠を狙っていた青学大は“3代目・山の神”神野大地(4年)が復帰レースで最終8区を務めたものの、1分4秒差で2位。史上初の5連覇に挑んだ駒大は3位に終わった。MVP賞には東洋大3区で区間賞の走りを見せた口町亮(3年)が選ばれた。

 初制覇に感極まった。「優勝まで長かった。1秒を削り出す走りができた。柏原、市川、設楽世代……彼らの悔しさが(優勝を)果たしたのだと思う」。歴代のOBの名を挙げながら酒井俊幸監督は優勝インタビューで言葉を詰まらせた。箱根路を4度制した強豪も、伊勢路は2位が4度と苦杯をなめてきた。それだけに喜びもひとしおだった。

 作戦がはまった。2大エースの服部兄弟は区間賞の走りで2人で2位に26秒の貯金をつくった。たすきを受けた選手は追ってくる青学大に一度は追いつかれても粘り、ラストスパートで突き放した。「中継所で少しでも前でたすきを渡すと、相手はボディーブローのように効いてくる」と指揮官。2位に甘んじた経験を生かした。

 計画的な戦力の底上げも実った。OBの柏原、設楽兄弟の抜けた穴を埋めるべく、選手をタイプ別に分けた練習メニューで個の力を引き上げた。ダイナミックなフォームが目を引く口町は2年まで箱根駅伝のメンバー外。2部(夜間)に通いながら力をつけ、出雲駅伝に続く区間賞と結果を残した。

 青学大の3冠を阻止し、東洋大が次に狙うのは箱根路の奪冠。主将で服部兄弟の兄・勇馬は「箱根で成長した姿を見せたい」と力を込める。復活した鉄紺が正月に2大会ぶりの優勝をかっさらう。

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2015年11月2日のニュース