奈紗 見えた前人未到 アマチュア完全V!2日目も首位

[ 2015年11月1日 05:30 ]

9番、バーディーパットを沈めて笑顔を見せる畑岡

女子ゴルフツアー 樋口久子Pontaレディース第2日

(10月31日 埼玉県飯能市 武蔵丘ゴルフコース=6605ヤード、パー72)
 女子高生が歴史を塗り替えるかもしれない。首位から出た畑岡奈紗(16=茨城・翔洋学園高2年)が1イーグル、3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算5アンダーの139で渡辺彩香(22=ユピテル)、茂木宏美(38=アース製薬)に並ばれたものの、首位を守った。アマチュアによる史上初の完全優勝など記録ずくめのフィナーレに向け、16歳は歩みを止めない。

 畑岡が首位を守り、快挙に一歩前進した。アマチュアの完全優勝や、マンデートーナメント(主催者推薦選考会)通過者による優勝となれば史上初。名前の奈紗は由来がNASA(米国航空宇宙局)で両親の「アポロ計画のように前人未到のことをやってほしい」という願いが込められているが、16歳は快挙を視界に入れても「一つでもスコアを伸ばせて良かった」と周囲のけん騒はどこ吹く風の様子で末恐ろしい。

 まさに吉兆だった。16番パー5。畑岡はピンまで57ヤードの第3打を残していた。ショットのアドレスに入る直前、左手につけたグローブに3年ほど前からつけているというパワーストーンのブレスレットが引っ掛かり、取ろうとしたところ、ブレスレットのゴムがプツンと切れた。「勝負に強くなる石と誕生石(1月でガーネット)で作った」と風呂に入るとき以外は肌身離さずつけていたお守りだが「もしかしたら良いことがあるかも」と前向きに捉えた。58度のウエッジを振り抜くと、ボールはピン手前1・5メートルに落ち、そのままラインに乗ってカップイン。12番のダブルボギー、13番のボギーという停滞ムードを払い飛ばすイーグルに、キャディーを務めた母・博美さんとハイタッチ。博美さんは「確か3000円くらいで買ったんですよ。(イーグルは)びっくりですね」と切れたゴムと拾い集めた石を手に、娘を見やった。

 前夜は昨年の日本女子オープンで3位に入るなど“アマ旋風”に一役買った永井花奈(東京・日出高3年)から「いつも通り自分らしく頑張ってね」とメッセージが送られてきたという。昨年の日本ジュニア最終日に、同学年の勝みなみに6打差を逆転されて涙に暮れたが、悔しい敗戦からたった1年でプロツアーの主役を張るまでに成長。この日は最終組に入ったが「たくさんの方が声を掛けてくれて励みになった」と動じなかった。

 「最終日はまたスタートに戻った気分で3日間で一番良いプレーができるように頑張りたい」

 ロケットのような勢いで残り18ホールを戦う。

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