茉愛“緊急出演”6位!子役でドラマ経験、異色の19歳健闘

[ 2015年10月31日 05:30 ]

床運動の演技を終えガッツポーズする村上

体操世界選手権第7日

(10月29日 英国・グラスゴー)
 女子個人総合決勝が行われ、村上茉愛(まい、19=日体大)が合計57・132点で6位と健闘した。補欠から繰り上がって出場した今大会、団体総合の予選と決勝でも貢献。個人総合では日本勢6年ぶりの入賞で、16年リオデジャネイロ五輪へ手応えをつかんだ。寺本明日香(19=中京大)は56・131点で9位。シモーン・バイルス(18=米国)が60・399点で史上初の3連覇を達成した。

 大観衆の前でライトを浴びている自分が信じられない。8位までが壇上で祝福を受けた表彰式。村上は笑みを浮かべながら、少し戸惑っていた。「あまりにも急展開すぎて…。凄いことなんだなと思った。出させてもらってありがとうという思いが強い」。本来なら立てなかった大舞台。巡ってきたチャンスを生かし09年大会銅メダルの鶴見虹子以来、日本勢6年ぶりの入賞だ。

 今春は腰痛に苦しみ、4月の全日本選手権で21位に沈むなど不振で代表には選ばれなかった。その後は16年を見据え地道な体幹トレーニングに取り組んだが、代表に故障者続出で補欠としてグラスゴーに同行することが決定。現地入り後は内山が負傷したため補欠から繰り上がって団体総合の予選に出場し、日本のリオデジャネイロ五輪出場権獲得に貢献した。

 個人総合決勝では得意の2種目が光った。13年に種目別で4位に入った床運動では最高H難度の大技「シリバス」を決め、両手でガッツポーズ。この時点では13位だったが、最終種目の跳馬で14・966点をマークして一気に浮上した。「思い切ってできたのが良かった。個人総合は4種目なんで重みがある」。子役としてドラマやCMに出た経験がある19歳は“緊急出演”でもNGを出さなかった。

 昨年まで床運動、跳馬のスペシャリストだったが、大舞台の個人総合で結果を残した。「リオの前の年にちゃんと実績を残せたので、来年につながる」。表彰式では3連覇のバイルスらとハグを交わし3人のメダリストを見つめた。「上の3人は強い。大事なところでミスしない。来年は今回より上にいけるようにしたい」。リオの表彰台が、村上の明確なターゲットになった。

 ◆村上 茉愛(むらかみ・まい)1996年(平8)8月5日、神奈川県生まれの19歳。体操選手の両親の影響で2歳から体操を始める。明星高から今年4月に日体大入学。10年にナショナルチーム入りしたがロンドン五輪は前年の左肘のケガのために出場できず。世界選手権は初出場だった13年に種目別床運動で4位。H難度の大技「シリバス」の使い手。テレビドラマに子役として出演歴がある。1メートル47。

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