宇野“真央級”2位!羽生超え堂々シニアGPデビュー

[ 2015年10月26日 05:30 ]

フリーで華麗な演技を見せる宇野(AP)

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦 スケートアメリカ第2日

(10月24日 米ウィスコンシン州ミルウォーキー)
 真央に並んだ。昨季の世界ジュニア王者・宇野昌磨(17=中京大中京高)が、フリー1位で自己ベストの176・65点をマーク。合計も自己ベストの257・43点とし、2位に入った。日本初となるシニアのGPシリーズ初出場初優勝は1・52点差で逃したが、初出場2位は05年中国杯の浅田真央(25=中京大)に並ぶ快挙。女子では昨季の世界選手権銀メダルの宮原知子(17=関大高)が合計188・07点で3位だった。

 力強い演技とは対照的な、あどけない笑みが浮かぶ。演技を終えた宇野は、右手を胸に当てて少し表情を崩した。自身よりも後に滑ったアーロンに逆転され、1・52点差の2位。「いい演技だったとは思うけど、一番が良かったという気持ちがある。点差が点差なので悔しさは隠せない」と正直な気持ちを口にしたが、堂々のシニアGPデビューだ。

 フリーはオペラ「トゥーランドット」。所属事務所の先輩・荒川静香が金メダルを獲得した06年トリノ五輪フリーで使用した曲だ。基礎点が1・1倍になる演技後半、予定では単発だった4回転トーループを2回転の連続ジャンプに切り替えて成功。「シニアの中に入っても見劣りしたくないって気持ちで練習している」。表現力が問われる5項目の演技点でも2位のスコアをマークした。

 シニアGPデビュー戦2位は05年中国杯の浅田真央と同じ。宇野にとって浅田は競技に導いてくれた存在だ。5歳の時、当時浅田が練習していたリンクに遊びに行った。アイスホッケーもしていたが、リンクで浅田に誘われフィギュアを選んだ。かつて浅田が師事した山田満知子コーチの指導を受け、今は浅田と同じ舞台に立つ。3日のジャパン・オープンで成長した宇野を見た浅田は「お母さん気分になりました」と笑っていた。

 14年ソチ五輪を制した羽生結弦ですら、シニアのGPデビューは4位(10年NHK杯)だった。金メダリストを超えても17歳に満足感はない。次戦は11月13日開幕のフランス杯。「ショートプログラムとフリーの両方完璧だったことがないので、次のフランス大会はこれ以上に頑張らないといけない。やることを全部やれば、もっと上を目指せる」。GP2戦目で初優勝を飾った浅田と同じ道を宇野が歩む。

 ▼主な日本人選手のシニアGPデビュー戦 浅田真央は05年中国杯2位、羽生結弦は10年NHK杯4位。高橋大輔は02年ボフロスト杯で11位、織田信成は05年スケートカナダで3位に入った。安藤美姫は04年スケートアメリカ3位。なお、デビュー戦で優勝した選手はいない。

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