絵理香、鬼門POまた…1時間10分、4H死闘及ばず

[ 2015年10月5日 05:30 ]

18番、入れば優勝のパーパットを外し、唇をかむ菊地絵理香

女子ゴルフツアー 日本女子オープン選手権最終日

(10月4日 石川県加賀市 片山津ゴルフ倶楽部白山コース=6613ヤード、パー72)
 菊地絵理香(27=オンワードホールディングス)がプレーオフの惜敗でメジャー初Vを逃した。首位から出てスコア74の通算2アンダーで田仁智(21=韓国)、李美香(22=韓国)とのプレーオフに突入。4ホール目まで粘ったが屈した。田仁智は5月のワールド・レディース・サロンパス・カップに続き、日本ツアー出場2戦連続で優勝。21歳55日でメジャー2勝達成の最年少記録を樹立した。

 日が沈んだ18番グリーンに悲劇のヒロインがいた。菊地が悲願を乗せ、2・5メートルのボギーパットに対峙(たいじ)。だが、思いはわずかに届かずボールはカップ手前で切れた。涙をぐっとこらえ、1時間10分にも及んだプレーオフに終止符を打った。

 「狙っていったところだったけれど、タッチが弱かったかな」

 3人でのプレーオフは李美香が3ホール目で脱落。田仁智と2人で臨んだ4ホール目だった。菊地はティーショットを右に曲げ、低く打とうと思った第2打もミス。さらにバンカーにも入れた。しかもボギーパットは微妙な距離。ところが田仁智の3メートルのパーパットはカップ直前で止まりボギーに終わった。菊地が2・5メートルをねじ込めば、勝負はイーブンだっただけに、惜敗が際立った。

 とはいえ、成長の跡は見せた。単独首位から出た本戦でボギーが先行。風が強いため、さほど飛距離が出ない27歳は常に苦戦を強いられたが、16番パー5でピンまで80ヤードの第3打を2メートルにピタリとつけた。首位に立った直後に自滅して崩れた2年前とは違い、この日は勝負どころでのバーディーで望みをつないだ。

 プレーオフは鬼門だ。昨年、2度、3人のプレーオフを経験したがいずれも敗退。「プレーオフにはいい思い出がなくて、しかもまた3人かと思って。でも1ホール目で負けないだけ成長したと思う」。争った2人は米ツアー優勝経験のあるつわもの。悔しさ以上に充実感と達成感が勝り、瞳からこぼれる涙をとどまらせた。

 「負けたけれど、プレーオフへの苦手意識もなくなってきたので一歩一歩かな」

 スタートしてから7時間45分後の敗戦も、獲得賞金は約7922万円となり、賞金ランクは日本人最上位の3位に浮上。ツアー通算2勝目、さらに日本選手10人目の年間1億円はすぐそこにある。

 ▼6位・香妻琴乃 (池に入れてダブルボギーの)17番は風もあるかもしれないが、ショットも思うように打てなかった。残りの試合も優勝目指して頑張る。(一時首位と1打差に迫るも75と崩れる)

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2015年10月5日のニュース