日本、スコットランド戦の敗因は…「真っ正直すぎた攻め方」

[ 2015年9月24日 07:40 ]

<日本・スコットランド>スコットランドに敗れ、肩を落とす日本フィフティーン

ラグビーW杯イングランド大会 日本10―45スコットランド

(9月23日 グロスター)
 相手を休ませることになるキック合戦にはせず、南アフリカ戦と同様にフィットネス勝負を挑んだジャパンは間違ってはいない。だが、あまりにも真っ正直すぎた。インターセプトに象徴されるように、相手の守備ラインはWTBが浅い位置まで上がってきていた。ジャパンが裏のスペースを狙うキックを全く使わなかったからで、相手WTBは背後を気にすることなくインターセプトを狙いに来ていた。

 南アフリカ戦ではいろいろと仕掛けていた攻撃も単調で、スコットランドには読まれていた。SO立川は立つ位置が深いためCTBはスピードに乗る前にパスを受けることになる。SO小野が自分で仕掛けて前進し、走り込んできた選手にパスを出していた南アフリカ戦に比べ、バックスラインが止まって見えた。点差がついた後は無理に回していた印象で、さらに傷口を広げた。個人技で流れを変えられるマフィが負傷交代したのも痛かった。

 流れが変わったのは10―17で迎えた後半12分、FB五郎丸がPGを外した場面だ。ポールに当たってピッチの内側へ戻ってきたボールに対し、相手SHレイドローは瞬時に「マーク」と叫んでフェアキャッチした。そのままプレーが続いていればジャパンにチャンスが生まれた可能性もあり、主将の冷静な判断はさすがと思わされた。

 ただし、南ア戦に続きモールでトライが取れたのは大きな自信になる。あの位置に攻め込まれると危ないと相手に警戒させれば、他のオプションも使える。次戦のサモアもパワーがあり強敵であることは間違いないが、我慢強くないチームで、つけ込む隙はある。この日は動きの悪い選手もいたが、しっかり立て直して臨んでほしい。(元U―23日本代表監督)

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