九重親方 膵臓がんだった 早期発見で6月に手術「もう大丈夫」

[ 2015年9月14日 05:30 ]

九重親方

 大相撲の九重親方(元横綱・千代の富士、60)が13日、早期の膵臓(すいぞう)がんが見つかったため、手術を受けていたことを明かした。同親方は内臓疾患を理由に7月の名古屋場所を休場していた。6月中旬から下旬にかけての時期に手術を受けたとみられ、約1カ月の入院治療の後、7月下旬に退院したという。

 6月1日に60歳となった「ウルフ」。その前日には還暦土俵入りも行い、刀持ちに白鵬、露払いに日馬富士の現役横綱を従え、赤い綱を締めて元気な姿を見せていた。その際、体重も現役時代よりは減ったものの、10キロも変わらない「116~117キロ」と話していた。手術後はそこから13キロ落ちたというが「治療は続けているけれど、もう健康体だから大丈夫」と話した。

 秋場所では館内で無気力相撲の有無をチェックする監察委員の職務に復帰。この日も十両の取組に目を光らせた。8月末からは毎日稽古場にも顔を出している。幕内・千代鳳は「いつもの場所前と同じ感じでした。ボロクソに言われています。親方の回復力は凄い」と話す。以前と変わらず弟子の指導に当たっている。

 11日には浅草の高級中華料理店で部屋の力士全員を集めて決起集会を行った。幕内・千代大龍は「親方もおいしそうに食べてましたよ」と語った。食欲も以前と変わらないほど回復しているようだ。

 千代大龍は「名古屋場所前に部屋の関取衆で“みんなで頑張って勝ち越そう”と話をしました」という。千代大龍は白星発進した。部屋は一つにまとまっているようだが、非常に危険ながんだけに今後の経過を含めて九重親方の健康面が気にかかる。

 ▼福田医院(横浜市)福田伴男医院長 膵臓がんは一般的には非常に困難ながんです。まず場所的に早期発見が難しい。今回、早期発見できたことはとても良かった。症状は黄疸(おうだん)が出たり、体重が減ったり、吐き気などがあります。原因は糖尿病や高血圧に関係することが多い。(手術した後の)予後不良のがんでもあります。再発のリスクが高く、密接につながっている胆のうや肝臓に転移しやすい。経過をしっかり見守っていく必要があると思います。

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2015年9月14日のニュース