組織委として謝罪、新エンブレム公募へ「ただちに選考に入りたい」

[ 2015年9月1日 18:22 ]

五輪エンブレム使用中止の決定し、厳しい表情で会見に臨む武藤事務総長(AP)

 2020年東京五輪の公式エンブレムがベルギーの劇場のロゴに似ていると指摘されている問題で、大会組織委員会は1日午後、五輪の関係団体トップでつくる調整会議を開催。佐野研二郎氏(43)デザインのエンブレムの使用を中止することを正式に決定した。会議後の会見で、武藤敏郎事務総長が発表した。

 会見で武藤事務総長は、今回の問題について「関係各方面大変申し訳ないと思っております。積極的に使用いただいて応援していただいているスポンサーにご迷惑をおかけしました。お会いして個別に報告し今後の理解を得たい。組織委としてただちに新エンブレム選考に入りたい。基本的には公募を大前提にしたい」と謝罪、新エンブレム作成の作業に入るとした。

 さらに「今回の経験から開かれた選考過程を工夫し、検討したい。スポンサーにはご迷惑を掛けましたが、できるだけ早く決定したい」と選考を急ぐことを明らかにした。今後も似たデザインが出るのではないかという懸念には「コンセプトが大事。リスク減らす努力は必要で、オープンなやり方、多くの人の意見を聞いて払しょくしたい」と答えた。

 また、賠償問題については「関係者には説明して話し合いで解決していきたい」という意向を示した。

 7月24日に発表された佐野氏のデザインを巡っては、ベルギーの劇場ロゴのデザイナー、オリビエ・ドビ氏が差し止め訴訟を起こしたほか、佐野氏が提出したエンブレムの活用例の写真がインターネット上の個人サイトから転用されている、デザインの原案が別の展覧会のポスターの一部に似ているなどといった疑惑が浮上するなど問題が続出していた。

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