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谷井 日本競歩界初メダル「金」 レジェンドが“危機”救った

男子50キロ競歩、3位でゴールし日の丸を背にガッツポーズの谷井(左は4位の荒井)

世界陸上第8日
(8月29日 中国・北京 国家体育場)
 自衛隊が日本の危機を救った。男子50キロ競歩の谷井孝行(32=自衛隊)が3時間42分55秒の3位で銅メダルを獲得した。五輪を含めた世界大会で日本競歩界初のメダル。6度目の世界選手権で初めてメダリストとなった「レジェンド」は、今大会で入賞もなかった日本勢で初の表彰台に上がり、来年のリオデジャネイロ五輪陸上の日本代表第1号に決まった。4位には同僚の荒井広宙(ひろおき、27=自衛隊)が入った。

 クライマックスは、俳優のように絵になっていた。競技場のゲートを抜けると同時に、谷井は両手を広げて空に向かって叫んだ。銅メダルを確信した歓喜の雄叫び。世界選手権6度目の出場となったベテランが日本競歩界の悲願を成し遂げた。

 「エントリーリストを見てメダルを狙えるレースができないかなと思っていた。ベストパフォーマンスができたと思います」

 2位を争っていたタレント(オーストラリア)の背中が遠くなった40キロすぎ。「1人になってきつかった」という正念場で一度は脱落した荒井が追いついてきた。自衛隊の同僚と並び「どちらかでメダルを獲ってやろう」と励まし合った。もう一度スイッチを入れて残り4キロ付近でスパート。死力を振り絞り、ゴールをすると倒れ込んだ。

 富山・高岡向陵高時代から国際舞台に立ちながら伸び悩んだ。昨年4月、妻子を持つ当時31歳は一大決心をした。佐川急便から自衛隊へ。競技に専念することが可能で、アスリート魂にも火がつく環境に身を置いた。

 埼玉・朝霞駐屯地の施設には出身者のメダルや写真を展示した部屋がある。ロンドン五輪レスリング金メダルの米満ら先輩の勲章を見て「自分も中に入れるように」と追い込んだ。昨秋は仁川(インチョン)アジア大会で金メダル。すぐ結果に表れた。

 今大会は世界記録を持つ鈴木の20キロが注目されたが、谷井も今季世界ランク3位。実力通りの成績を残し「雄介(鈴木)に負担をかけていた。これで2等分ですかね」とおどけた。大会7日目まで入賞ゼロだった日本の危機的状況を救った。

 日本人最上位で8位以内に入り、来年のリオデジャネイロ五輪切符をつかんだ。肺気胸の影響で途中棄権したロンドン五輪の雪辱に燃える。「その時からリオでメダルを獲るという覚悟でやってきた」。後輩思いの人柄、豊富な経験から「“レジェンド”と呼ばれています」と応援していた女子20キロ代表の岡田が明かした。競歩界のレジェンドの歩みは止まらない。

 ◆谷井 孝行(たにい・たかゆき)1983年(昭58)2月14日生まれ、富山県出身の32歳。中学は野球部で主に捕手。高岡向陵高から陸上部。長距離を始めたものの右すねを故障し、リハビリを兼ねて競歩を始める。すぐに頭角を現し、2年で世界ユース選手権1万メートルで銅メダル。日本選手権50キロは13、14年に連覇。50キロの自己ベスト3時間40分19秒(日本歴代2位)。これまでに五輪に3度出場。1メートル67、57キロ。家族は妻と長女。

 ▽競歩のルール (1)常にどちらかの足が地面に着いていること。(2)前足は設置の瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばすこと。(1)に違反すると「ロス・オブ・コンタクト」で(2)に違反すると「ベント・ニー」の反則になる。審判6~9人が目視で判定。判定は「注意」と、明らかに違反している「警告」の2種類があり、警告3回で失格。むちゃなラストスパートをなくすために、ゴール手前100メートルからフィニッシュまでに明らかな違反をすれば、累積に関係なく失格となる。

[ 2015年8月30日 05:30 ]

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