【高野進の目】サニブラウン バランス良く自分の力を出し切った

[ 2015年8月26日 09:17 ]

予選第4組、ガトリン(右端)と力走するサニブラウン(左端)

 サニブラウンは、私がこれまでに見てきた高校生代表とは格が違う。高校総体では強いレースができても世界大会では力を発揮できずに終わるケースが普通だ。だが、サニブラウンには世界大会の方が合っているという雰囲気すら漂っていた。世界の洗礼を受けるのではないかと思っていただけに、予選のパフォーマンスは褒めていい。

 最初の数歩が速かった、後半が強かったというわけではなく、バランス良く自分の力を出したという印象だ。アシュミード(ジャマイカ)に勝ったのは予想外。アシュミードが予選で全力ではなかったかもしれないが、先着するのは大事。格上をゴール前で振り切ったのは、今後につながるだろう。

 サニブラウンに加え、藤光、高瀬と日本人3人が準決勝に残った。決勝進出の可能性が一番高いのは藤光だ。コーナーの出口で力まなくなり、スピードを持続できるようになった。変に意気込まず、自己ベストの20秒13を出した海外の大会や、この日の予選のような走りができれば、チャンスはある。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

続きを表示

2015年8月26日のニュース