エンブレム酷似問題 佐野氏が盗用疑惑に反論「全くの事実無根」

[ 2015年8月5日 10:00 ]

東京五輪エンブレムの“盗作疑惑”について会見を開いた、エンブレム制作者の佐野研二郎氏
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 2020年東京五輪の公式エンブレムがベルギーの劇場ロゴなどと似ていると指摘された問題で、エンブレムをデザインしたアートディレクターの佐野研二郎氏が5日、東京都内で大会組織委員会マーケティング局長の槙英俊氏とともに記者会見した。

 佐野氏は4日夕方に海外から帰国。盗用疑惑の指摘について「大変驚いておりますが、全くの事実無根です」と従来の主張を繰り返し「私のキャリアの集大成ともいえる作品」「世界に類のないエンブレムができたと確信しました」と作品の出来栄えに自信を示した。

 また、槙氏はベルギーの劇場が商標権の侵害であると主張しているという報道については「IOCの方で、先方が商標登録を行っていないという確認が取れました。よって商標登録に関する議論は、解決済みでございます」と説明した。

 公式エンブレムは7月24日に発表されたばかり。29日、ベルギーの劇場ロゴとの酷似が表面化。30日にはスペインのデザイン事務所の作品に配色が似ていると指摘された。
 
 ロゴのデザイナー、オリビエ・ドビ氏や劇場の代理人は7月31日付で国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)に使用停止を求めて書簡を送付。8日以内に使用停止に同意するよう求めた。要求に応じなければ「管轄する裁判所に使用停止を求めて法的手続きを取る」とした。書簡の中でエンブレムが「盗作であることは明白」と主張している。

 IOCのコーツ副会長は1日、クアラルンプールで行われた総会で「IOCと東京の大会組織委員会は発表前にすべての登録商標をチェックした。デザインは問題ない」との認識を示した。

 組織委は7月31日に「IOCの規定上必要とされる手続きを踏まえ、発表前にIOCと共に国内外における商標調査を経た上で決定したものであり、組織委員会としては問題ないと考えています。IOCも同じ見解と承知しています」とのコメントを発表。遠藤利明五輪相も会見で「問題ない」と同様の考えを示した。

 盗用疑惑について佐野氏は3日、公式サイトで「大変驚いておりますが、全くの事実無根です」と完全否定。「今回の騒動について、私としましては1日も早い事態の沈静化を望んでおります」とした。

 大会組織委員会を通じて7月31日にも「報道されている海外作品については全く知らないものです。制作時に参考にしたことはありません」と反論した。

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