東京五輪組織委 エンブレム酷似に「商標調査経た。問題ない」

[ 2015年7月30日 19:17 ]

スペインのデザイン事務所「ヘイ・スタジオ」の作品(左、同事務所のホームページより)とベルギー・リエージュ劇場のロゴ(右)。中央は2020年東京五輪の公式エンブレム

 2020年東京五輪の公式エンブレムが、ベルギーの劇場のロゴと酷似していると指摘されている問題で、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は30日、クアラルンプールで取材に応じ、「国内外の商標調査を行った上で発表している。特に問題ないと考えている」との認識を示した。国際オリンピック委員会(IOC)も「同じ見解と聞いている」と述べた。

 一方、スペインのデザイン事務所「ヘイ・スタジオ」の作品も色合いが似ているとインターネット上で指摘されている。同事務所のフェイスブックには30日、二つの画像を合わせると五輪エンブレムになるとの画像を添えた投稿もあるなど、波紋が広がっている。

 組織委の高谷正哲戦略広報課長によると、エンブレムをデザインしたアートディレクターの佐野研二郎氏は海外出張中で、連絡を取り合いながら本人が見解を述べるための準備を進めている。

 IOCとは事前に互いの法務部門が連携して手続きを踏んでおり、組織委の森喜朗会長も問題ないと認識しているという。8月1日のIOC総会で大会準備状況を報告するが、この問題には言及しないとした。

 過去の五輪でも同様の問題は起きている。劇場のロゴについて、夏季五輪国際競技連盟連合(ASOIF)のリッチビッティ会長は「確かにいくつか似ているところはあるが、デザインをどう見るかにもよる。だから何とも判断できない」と述べ、エルデネル理事は「似ていない。そもそも東京五輪と劇場のロゴのコンセプトが全く異なる」と印象を語った。(共同)

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2015年7月30日のニュース