またダメ押し白鵬にダメ出し 藤島審判長「見苦しい」

[ 2015年7月21日 05:30 ]

逸ノ城を寄り切り、顎の強烈な掌底をかます白鵬

大相撲名古屋場所9日目

(7月20日 愛知県体育館)
 横綱がまたも問題行動だ。白鵬は関脇・逸ノ城を寄り切った直後に相手の顎を強打してダメ押しした。全勝を守って単独トップに立ったが、審判部から苦言を呈された。横綱・鶴竜は関脇・栃煌山に敗れて初黒星。1敗は鶴竜、照ノ富士、栃煌山、鏡桜の4人となった。
【9日目取組結果】

 見苦しいダメ押しが繰り返された。白鵬は左張り差しから右四つに組み止めて逸ノ城を寄り切ったところまでは良かったが、土俵を割って力を抜いた相手の左の顎へ右から突き上げるように掌底を一発。さらに顔を押し込んだ。

 ふがいない逸ノ城への憤りが爆発したようにも見えたが、白鵬は「先場所(初日に)負けているケリをつけた。まあ、締めていかないと。熱いものが出た」と淡々とした口ぶり。報道陣から、相手の足が出ていたのが分かっていたかと質問されると「ご想像にお任せします」とけむに巻いた。ダメ押しを食らった逸ノ城はモンゴルの大先輩を気遣ってか「分かんないっす」と答えるしかなかった。

 この件で審判部への呼び出しはないものの、藤島審判長(元大関・武双山)は「見苦しいでしょう。番付が一番上なんだから見本になる立ち居振る舞いをしてもらいたい」と苦言を呈した。

 白鵬は過去に何度もダメ押しを繰り返している。昨年11月の九州場所8日目には土俵下に落ちて後ろ向きになった照ノ富士を両手で突いたことで、宮城野親方(元幕内・竹葉山)が審判部に呼び出されて注意を受けた。ダメ押し以外でも、今年の初場所後には審判部批判で大騒動となったばかり。横綱の品格を欠く行為の連続に、周囲から厳しい目を向けられるようになっている。

 全勝で単独トップに立ち、2場所ぶりの優勝へ向けて一歩前進したところでの問題行為。藤島審判長の発言を伝え聞いた白鵬は「まあ、気をつけます」と一応の反省の弁を口にしたが、後味の悪さが残った。

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