錦織 4大大会初Vへウィンブルドンに“初前線基地”!

[ 2015年6月27日 06:10 ]

オールイングランド・クラブ(手前がセンターコート)

 テニスの4大大会、ウィンブルドン選手権(英国、29日開幕)の組み合わせが26日に決まり、世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25=日清食品)は、1回戦で世界56位のシモーネ・ボレリ(29=イタリア)と対戦することになった。順調に勝ち進めば準々決勝で世界1位のノバク・ジョコビッチ(28=セルビア)との対戦が有力視される厳しい組み合わせ。初の4大大会制覇へ、7度目の出場となる今回は会場近隣の一軒家を借り、拠点を置いて悲願達成を目指す。

 左ふくらはぎの故障から回復途上の錦織にとって厳しい組み合わせが決まった。初戦で対戦するボレリはシングルスの優勝経験こそないものの、今年の全豪オープン男子ダブルスを制した実力者。2、3回戦を勝ち進めば4回戦で昨年の全米オープン決勝で敗れたチリッチ(クロアチア)との対戦が有力視される。

 自身初の4回戦突破を果たしたとしても、準々決勝では大会連覇を目指すジョコビッチが立ちはだかることが必至。4大大会で唯一、8強進出経験のない聖地での戦いは、非常に厳しいものになることが予想される。

 それでも今年は、じっくりと試合に集中できる環境を整えた。ウィンブルドンでは大会期間中に会場近郊の住民が家を貸し出し選手や大会関係者らが借り受けるスタイルが定着しており、錦織も7度目の出場となる今回初めて一軒家を用意した。

 ナダルやウィリアムズ姉妹らトップ選手は好んで利用しており、フェデラーは家族と関係者用に2軒借りることもあるという。5ベッドルーム以上なら1週間で100万円以上、高価な物件となれば200万円以上にもなる。ただし、ロンドン市内の高級ホテルに泊まることを考えれば、決して高い出費ではない。

 選手にとっては家を借りることで得られる精神的なメリットも大きい。錦織もホテル暮らしが続く欧州シーズンについて「なかなか落ち着ける場所がない」と苦労を語ったことがある。今季も4月のバルセロナ・オープンから欧州を転戦。8強入りした全仏オープン直後に拠点を置く米国に一時戻ったものの、すぐにとんぼ返りした。

 今年のウィンブルドンには久々に両親も訪れており、家族やチームスタッフとともに過ごせる一軒家となれば安心感は段違い。母・恵理さんの手料理を食べて体を休めることができれば、不安を抱える左ふくらはぎの回復にも好影響をもたらすことは間違いない。一つ屋根の下、「チームKei」一丸で頂点への険しい道を踏破する。

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