愛&佳純、リオは“ぶっつけ本番” 治安配慮し直前まで国内調整

[ 2015年6月5日 07:15 ]

リオ本番へ少し不安?な福原(左)と石川

 卓球の日本代表が16年リオデジャネイロ五輪に向けての直前合宿をブラジル国内で行わない方針であることが4日、分かった。関係者によると、治安の悪さや交通渋滞など、選手をサポートする環境が整わないことから断念したという。石川佳純(22=全農)、福原愛(26=ANA)ら2大会連続でメダル獲得を目指す日本代表は、国内から“ぶっつけ”で戦いの地に乗り込む。

 2大会連続メダルへ、練習環境を最優先した。日本卓球協会はブラジル国内の合宿地を探してきたが、治安の悪さ、交通手段が確保できないことなどにより諦めざるを得なかった。関係者は「(12年大会の)ロンドンは地下鉄もあったが、リオは交通渋滞で時間も読めない。何よりも治安が悪い」と説明。ブラジル協会の協力もあり、リオデジャネイロ以外にサンパウロなども検討したが、気候の違いや飛行機での移動など課題をクリアするには至らなかった。

 女子団体で銀メダルを獲得した12年ロンドン五輪では、現地入り前にドイツ・デュッセルドルフで直前合宿を行い、英国でも選手宿舎近くに体育館を借り、選手がいつでも練習できる環境をつくるなど、バックアップ態勢は万全だった。リオ五輪に向けては五輪組織委員会の準備した練習場、メーン会場のオープンに合わせて現地入りし、急ピッチで調整することになりそうだ。

 日本とリオデジャネイロは12時間の時差があり、時差調整や気候への順応が重要課題とされる。他競技団体では、競泳が開催国ブラジルのサンパウロ、体操が同アラカジュで直前合宿を行う予定だ。だが、卓球は時差調整よりも練習環境を重視する方向となった。

 卓球はメダル獲得が期待される種目の一つで、女子の石川は今年、世界ランク日本最高位となる4位となった。代表切符獲得の先には、団体での2大会連続メダルを見据える。環境の充実している国内で直前まで練習を積み、勝負に臨む。

 ▼リオ五輪代表への道 リオデジャネイロ五輪代表は、シングルスは9月発表の世界ランクで日本人上位2人に入ることが第一条件。この2人がアジア大陸予選(来年4月、香港)で五輪出場権を懸けてアジアに与えられた11枠を争う。団体戦のみの出場となるもう一人の代表は日本人3番目の選手が推薦される見込み。

 5月発表の世界ランクは石川が3039点で6位、福原が2871点で8位、伊藤美誠(スターツ)が2829点で11位、平野早矢香(ミキハウス)が2748点で15位、石垣優香(日本生命)が2647点で22位、平野美宇(エリートアカデミー)が2594点で29位となっている。

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2015年6月5日のニュース