「ウルフ」還暦土俵入り 九重親方、赤い綱で雲竜型を披露

[ 2015年5月31日 19:13 ]

還暦土俵入りを披露する元横綱千代の富士の九重親方。太刀持ちは横綱白鵬関、露払いは横綱日馬富士関

 大相撲で史上3位の優勝31回を誇り、6月1日で60歳になる元横綱千代の富士の九重親方=本名秋元貢、北海道出身=が31日、東京・両国国技館で歴代横綱10人目の還暦土俵入りを披露し、後援者ら約1200人が集まった館内から「千代の富士!」の声援が飛んだ。

 九重親方は今回のために三つぞろいの化粧まわしを新調。還暦を意味する赤い綱は、垂らす御幣も珍しく赤色とこだわった。太刀持ちは白鵬関、露払いは日馬富士関と現役の両横綱が務めた。力強い雲竜型を見せ「健康だからこそできた。現役のころを思い出したし、現役横綱を従えての土俵入りは感無量だ」と目を細めた。

 現役時代は筋肉質の体と精悍な風貌から「ウルフ」と呼ばれ、角界初の国民栄誉賞を受賞。1991年夏場所限りで引退したが、引き締まった体で四股も足が上がっていた。白鵬関は「私もできればいいな。しっかり見て記憶に残した」と述べ、日馬富士関は「小さな体での力強い相撲を学んだ。憧れの大横綱と同じ土俵に上がれて本当に光栄」と感慨に浸った。

 還暦土俵入りは37年の太刀山が最初。栃錦や初代若乃花、大鵬らも続き、直近では2013年6月に日本相撲協会の北の湖理事長が披露した。

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2015年5月31日のニュース