“みうみま”解消 リオ五輪の代表候補決定までシングルス専念

[ 2015年5月5日 05:30 ]

子供にサインする平野美宇

 “みうみま”が一時解消される。卓球の女子日本代表・村上恭和監督(57)が4日、リオデジャネイロ五輪の代表候補が決まる9月まで、有力選手を国外のワールドツアーのダブルスに出場させない考えを明かした。シングルスに専念させるのが狙いで、伊藤美誠(14=スターツ)と平野美宇(15=エリートアカデミー)の中学3年生コンビもしばらく休養となる。世界選手権に出場した選手団は同日、帰国した。

 五輪争いに集中させるための特別態勢だ。女子日本代表の村上監督が「この先、過密日程になる。ダブルスで余分な体力を使わず、シングルスに全力で臨ませたい」とベラルーシ・オープン(13日開幕)から有力選手のダブルス出場を見送る方針を示した。6月のジャパン・オープンは流動的だが、8月のチェコ・オープンまでの少なくとも8試合が対象となる。選手には通達済みだ。

 これにより、伊藤と平野美の中学3年生ペアは当面、コンビ結成を控える形になる。“みま”は「次のベラルーシはダブルスは出ませんけど次は分かりません」と複雑な気持ちを口にした。昨年、ワールドツアー3勝を挙げた“みう”とのコンビで、ダブルスでも試合経験を積みたいのが本音。とはいえ、大本営の決定なら従わざるをえない。

 3日まで中国・蘇州で行われた世界選手権の女子シングルスでは日本勢最高の8強入り。大会後の世界ランクは15位から11位に上がり、自己記録を更新した。平野早矢香(15位)を抜いて石川佳純(6位)、福原愛(8位)に次ぐ日本人3番目に浮上。9月発表の世界ランクで日本人上位2人に入ればシングルスと団体戦代表候補になり、3番目は団体戦の代表候補に推薦される。伊藤は初めて五輪圏内に入り「満足せず少しずつ上げたいです」と上昇を誓った。

 次戦の開催地ベラルーシからクロアチア、フィリピン、オーストラリアと4週間で4カ国を回る。過密日程ゆえダブルスが負担になりかねない。“みうみま”の一時解散をプラスに、リオ行きのサバイバルを勝ち抜く。

 ▽リオデジャネイロ五輪出場の道 シングルスは9月発表の世界ランキングで上位2人に入ることが第1条件。この2人がアジア大陸予選に臨み、五輪出場権を懸けてアジアに与えられた11枠を争う。アジア大陸予選で出場権をつかめなかった場合、16年5月発表の五輪ランキングで上位22人に入れば五輪に出場できる。ただし、対象はアジア大陸予選に参加した選手のみ。団体戦のみの出場となるもう一人の代表は女子の場合、9月発表の世界ランクで日本人3番目の選手が推薦される見込み。

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