男子7人制代表 “生き残り”へ同大・松井が再合流

[ 2015年5月4日 21:39 ]

成田空港から出発した男子7人制日本代表の松井

 二刀流への道を、自分の力で切り開く。7人制ラグビーのセブンズワールドシリーズ(WS)第8戦スコットランド大会(9、10日、グラスゴー)、最終戦イングランド大会(16、17日、ロンドン)に出場する男子7人制代表12人が4日、成田空港から現地へ向け出発した。

 7戦を終えて総ポイントで15位の日本は、シリーズ全大会に出場できるコアチーム(15チーム)からの降格危機にある。この2大会は生き残りを懸けた戦いでもあり、坂井克行主将(豊田自動織機)は「いい準備ができている。(2大会とも)最低でもベスト8に残れば、自然とコアチームには残れると思う」と話した。

 そんな7人制代表に、頼もしい男が再合流した。今春15人制日本代表に初招集され、
2キャップを獲得した松井千士(ちひと、20=同大)だ。元々昨秋に7人制代表に初選出されると、チームでも群を抜くスピードが認められ、WS第6戦香港大会、第7戦日本大会に出場。その活躍が15人制代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチの目に止り、4月12日に代表合宿初招集、同18日の韓国代表戦(韓国・仁川)では初出場初先発初トライと、瞬く間に活躍の場を広げた。2日の香港代表戦(秩父宮)にも先発出場し、翌3日に7人制代表に再合流。「試合出場に支障が出るほどではない」と疲労がないわけではないが、今は日の丸を背負う喜びにあふれている。

 15人制代表から離脱する際には、ジョーンズ・ヘッドコーチから「セブンズで(活躍を)アピールすれば、W杯の代表選考にも加味する」と言われたという。もちろん15人制代表やW杯出場はラグビーを始めたころからの夢だったが、つい1カ月前までは、それはもっと将来的な夢だった。しかし、2キャップを得たことで「(今年の)W杯のメンバーにも残りたいという気持ちになった」と目標を前倒し。来年のリオデジャネイロ五輪から実施される7人制ラグビーとのW出場も、現実味を帯びてきている。

 7人制と15人制、ボールやグラウンドの大きさは同じでも、求められる能力は必ずしも一致しない。15人制のテストマッチから、たった1週間で7人制の世界最高峰シリーズ出場という難しさも伴うが「マインドセットはできているし、問題はない」と言い切る。目下の心配事は、“予定外”の15人制代表入りで、大学の練習には2月から参加できておらず、新年度は授業にもほとんど出席できていないこと。「ここまでいないのは計算外。(大学の)チームを離れているのは不安ですね。サインプレーとか。単位は80くらい取っているので、(卒業は)大丈夫だと思いますが…」。大学3年生らしい悩みを打ち明けたが、ラグビー選手としては細身の体に懸けられた期待は、日に日に増している。

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2015年5月4日のニュース