美宇“前回覇者”撃破!3回戦は世界ランク1位の丁寧と対戦へ

[ 2015年4月30日 05:30 ]

卓球世界選手権、女子シングルス2回戦を突破した平野美宇

 みうが金星だ。卓球世界選手権第4日は29日、中国・蘇州国際博覧センターで行われ、前日の女子ダブルスで敗退した平野美宇(15=エリートアカデミー)は女子シングルス2回戦で13年のパリ大会の混合ダブルス優勝のキム・ジョン(北朝鮮)に4―1で勝利。伊藤美誠(14=スターツ)とともに3回戦に進出した。混合ダブルスの吉村真晴(21=愛知工大)石川佳純(22=全農)組が準々決勝で北朝鮮ペアを4―2で下し、今大会日本勢初のメダルが確定した。

 中学3年生は勝負強かった。最初から一進一退のシーソーゲーム。第5ゲームでは2度、ゲームポイントを握られたが、いずれもサービスエースで追いついた。試合を決めるポイントを奪った瞬間、小さく跳びはねてとびきりの笑顔で勝利を表現した。1時間近い熱戦の末、平野美が前回大会の混合ダブルスの金メダリストを撃破した。

 「北朝鮮の選手はプロツアーに出ていないので、世界ランクは私(36位)より低い70位ですが、負けてもおかしくないと思っていました。混合ダブルスのチャンピオンだと思って戦いました」

 情報が少ない北朝鮮の実力者を相手に、紙一重の連続を乗り越えて殊勲の星を挙げ、安どの表情で話した。「あそこまでいったら精神的な勝負。そこで勝てて良かった」。気持ちで大きな1勝をつかみ取った。

 前日28日は、メダルの期待がかかっていたダブルスで2回戦負け。悔しさはホテルに戻っても消えない。遅くまでコンビを組む同学年の伊藤と部屋で話し合った。ミスをしたシーンばかりが頭に浮かび、気持ちは暗くなるばかり。「ダブルスにかけていたところがあった。あまり眠れなかった」。一夜明けても、吹っ切れなかった。気持ちを切り替えられたのは入場の時。「試合に入ったらダブルスのことは考えられなかった」とゲーム開始直前にスイッチが入り、無心で自分らしい卓球ができた。

 3回戦は世界ランク1位の丁寧(テイネイ)と対戦する。大舞台での激突を歓迎しつつ「向かっていくしかない」と気持ちを引き締めた。中学1年で対戦した時は手も足も出なかった相手だが、大舞台を経験し、ひと回り成長した平野美は2回戦の再現を狙いにいく。

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2015年4月30日のニュース