苦難のシーズンも…羽生 フリーで笑顔締め 何度も「ありがとう」 

[ 2015年4月17日 22:26 ]

イナバウアーで観客を魅了する羽生

フィギュアスケート国別対抗戦第2日 男子フリー

(4月17日 東京・国立代々木競技場)
 前日のショートプログラムに続くフリーでの今季自己最高点更新はならなかった。それでも前日の悔しい表情から一転、この日は納得した様子で何度も「ありがとう」とつぶやいた。「このプログラムも、ここ代々木で滑るのも、みなさんの前で滑るのも最後でしたから、そういう意味も込めました」。今季最後の演技を終え、羽生にこみ上げたのは感謝の気持ちだった。

 昨年1月の中国杯の練習中に衝突事故に見舞われ、年末には人生初の手術。その後は右足を捻挫するなど試練が続いた今シーズン。だからこそ「滑れることを幸せに感じて、しっかりと演技したい」と熱い思いでリンクに立った。

 冒頭の4回転サルコウを流れるように着氷、直後の4回転トーループは3回転になったがミスを引きずらず、その後のジャンプも次々とクリアしていった。今季課題となった3回転ルッツもしっかりとおりてみせ「完璧な演技ではなかったですが、そこそこよかったんじゃないかな」と素直に喜んだ。

 SPとフリーの合計288・58点は今季自己最高点。キスアンドクライでは「オペラ座の怪人」の主人公ファントムのマスクをかぶっておどけてみせた。苦難に満ちたシーズン、最後はしっかりと笑顔で締めくくった。

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