1メートル88の大型スイマー 小関が平泳ぎで2冠達成

[ 2015年4月12日 05:30 ]

優勝した小関はガッツポーズ

 今夏の世界選手権(ロシア・カザニ)の代表選考を兼ねた競泳日本選手権第5日は11日、東京辰巳国際水泳場で行われ、男子200メートル平泳ぎは小関也朱篤(23=ミキハウス)が2分7秒77で制し、2冠を獲得した。1メートル88の長身で将来が期待される大型スイマー。自身初の2分7秒台をマークし世界舞台でのメダル獲得が視野に入った。

 沸き上がる場内で、スタート台のバーをつかんだ小関がピクリとも動かない。その間、約7秒。呼吸を整えると、少し青ざめた表情で電光掲示板を見つめた。世界記録保持者の山口、北島に続く日本人3人目の2分7秒台は、12年ロンドン五輪の銅、13年世界選手権では銀メダル相当のタイム。「世界記録はやっぱり速いんだなと実感した。2分7秒台はこんな体がきついのかと。プール上がってから立ちくらみしました」と苦笑いした。

 序盤から勝負に出た。ロンドン五輪選考会時の北島の泳ぎをビデオで研究。磨いてきた入水後の浮き上がりで飛び出し、100メートルは世界記録ペースを0秒86上回る1分0秒86で「自分でもびっくり」の異次元タイム。課題のラスト50メートルは昨年末と3月の高地合宿によるスタミナ強化で踏ん張った。だが、自己ベストを0秒57更新したが世界記録から0秒76遅れ「まだまだ未熟」と反省した。

 昨年8月のパンパシフィック選手権は100メートル平泳ぎで主要国際大会初勝利を飾ったが、9月の仁川(インチョン)アジア大会はベスト体重を4キロ超える84キロで臨み金メダルを逃した。心を入れ替えたのは11月22日に日体大時代から交際していた女性と結婚してから。「支えてもらってますから。いいプレッシャーとして受け止めてます」。大学で1日4合のご飯を平らげた大食漢が、1カ月前から体重計に乗り今大会に備えた。

 日本のお家芸ともいえる平泳ぎでは北島や立石の陰に隠れた存在で「名前をつなげて小関也(こせきや)と呼ばれることがある」という。それだけに、平泳ぎ2種目で初の世界選手権切符をつかみ「立石さんや北島さんより場数が少ないので、これからつくっていきたい」と意欲を示した。メダル獲得へ「あと0・5秒」。16年リオデジャネイロ五輪へとつながる夏の舞台で、その名を知らしめる。

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