桐生 9秒87スパイクで織田記念へ!接地感覚重視の今季モデル

[ 2015年4月10日 05:30 ]

3月のテキサス・リレーで追い風参考ながら9秒87で優勝した桐生(AP)

 “9秒87スパイク”で真の9秒台を狙う。陸上男子100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀(19=東洋大)が、3月のテキサス・リレーで追い風参考ながら9秒87をマークした際に履いたスパイクで、織田記念国際(18、19日、広島)に出場することが9日、分かった。好相性の“相棒”が歴史的激走を後押しする。

 桐生が異次元の走りを再現する。テキサスでは3・3メートルの追い風参考ながら、電気計時で日本初の9秒台に突入する9秒87をマーク。「9秒台を体感できて良かった」と話していた19歳は、今季モデルのスパイクにも好感触をつかんでいた。自身とともに9秒台を体感した“相棒”で、織田記念国際に臨む。

 桐生のスパイクは、アシックスが市販している「サイバーレイ」をひな型に微調整を加えている。昨季までは軽さを求めていたが、今季は足裏が地面に接地する際の感覚を重要視。スパイクには爪先方向へ上向きに角度がついているが、桐生仕様のものは、この角度がやや浅いという。アシックスの担当者は「正確な角度差は分かりませんが、角度を落としたタイプの方が、桐生選手の求める接地感に近かった」と説明した。

 昨季の桐生は新たな感覚を求め、スパイク裏のピンの本数を4本にしていた時期もあった。「4本は非常に少ない。現行のモデルにはない」と同担当者も驚くほど。だが、昨季は故障が多かったこともあり、10秒01をマークし、世界選手権にも出場した洛南高時代から使用している6本ピンに今は戻している。テキサスの快走を呼んだ接地とピンのフィーリングが、織田記念にもつながる。

 18日の200メートルでまずは自己記録(20秒41)を更新し、19日の100メートルで日本人未到の領域へ。「一本一本楽しんで走れば、記録はついてくる。自分の走りをすれば(9秒台は)出る」。14年の東洋大進学前にはオフのトレーニング量が減ったが、このオフは筋力トレを含めて充実の練習を積み9秒87で走っても筋肉痛はなかった。肉体もスパイクも万全で歴史的偉業に挑戦する。

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2015年4月10日のニュース