天国の斉藤仁さんへ届け 国士舘5年ぶり8度目V

[ 2015年3月22日 05:30 ]

5年ぶりに優勝した国士舘の選手

 柔道の全国高校選手権最終日は21日、東京・日本武道館で男女の団体戦が行われ、5人制勝ち抜き戦の男子は昨年の全国高校総体を制した国士舘(東京)が5年ぶり8度目の優勝を飾った。92年バルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦さんの長男・颯人(はやと、2年)を擁する大成(愛知)を2人残しで撃破。1月に亡くなった五輪2大会連続金メダルの国士舘OB、斉藤仁さんにささげる優勝となった。3選手の点取り戦で争われた女子は埼玉栄(埼玉)が大成(愛知)に1―0で勝って連覇を果たした。

 国士舘一丸の優勝だった。決勝で古賀に大腰で一本勝ちするなどMVPに輝いた飯田(1年)は「全員が斉藤先生のために勝つぞという気持ちだった」と語った。偉大な先輩の死後、岩渕監督が道場に持ち込んだのは斉藤さんが試合中に見せた「鬼神のような表情」の写真。「斉藤の勝負に対する執念を国士舘は受け継がないと駄目」。21日の朝練でも「この顔で戦え」とハッパをかけた。徹底した走り込みも復活させ、大会前には国士舘大の4年生も稽古をつけてくれた。決勝まで全て2人残し以上の勝利。鬼神に後押しされ、他校との地力の差を示した。

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2015年3月22日のニュース