【新風力士】出羽疾風 母と暮らすため幕下Vから幕内目指す

[ 2015年3月21日 08:00 ]

水田(右)を寄り切りで破り幕下優勝を決めた出羽疾風

 速攻で十両復帰を確実にした。東幕下13枚目の出羽疾風は全勝対決で水田を下して7戦全勝。自身初の各段優勝となる幕下優勝を決めた。立ち合いすぐに左前みつを取り、右差しで寄り切り。入門時の師匠、先代出羽海親方(元関脇・鷲羽山)が「速い相撲を取れ」という激励を込めた、しこ名どおりの内容だった。

 所属の出羽海部屋は過去9人の横綱を輩出。100年以上も常に関取が在籍した角界屈指の名門だ。10年名古屋場所以降に約4年の関取不在期間があった。出羽疾風が名門復活の期待を背負う。

 新十両の昨年九州場所は足首のケガもあり5勝8敗2休。続く今年初場所も2勝5敗と不振。この春場所は部屋に幕下10枚目付け出しデビューの御嶽海が加わり、刺激を受けながら猛稽古に励んだ。「(再十両を決め)今度は落ちたくない。上を目指したい」と意気込む。中学時代に修学旅行の「職場見学」で出羽海部屋を訪問し、プロ入りを希望。04年の入門直後に父・瑞穂さん、3年前に兄・祐一さんが病気で亡くなった。幕内に定着すれば、故郷から母・久美子さんを東京に呼んで一緒に暮らすのが夢だ。部屋の師匠にも、母にも孝養を尽くすため、一層の精進を誓う。

 ▽幕下優勝(7戦全勝)

 ◆出羽疾風 龍二(でわはやて・りゅうじ)本名・鈴木竜一。1989年(平元)1月31日、愛知県岡崎市出身の26歳。小3から中3まで野球。15歳の04年春場所で初土俵。1メートル76、122キロ。得意は左前みつ、寄り。

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