豊ノ島イナバウアー金星!上半身“エビ反り”喉輪外して逆転

[ 2015年3月17日 05:30 ]

日馬富士(左)の猛攻をこらえ送り出しで破った豊ノ島

大相撲春場所9日目

(3月16日 ボディメーカーコロシアム)
 平幕・豊ノ島が横綱・日馬富士を破り、4度目の金星を獲得した。31歳の技巧派は土俵際で華麗に逆転し、2敗を守った。優勝争いをリードする白鵬は碧山を下して無敗をキープ。新関脇・照ノ富士、平幕・安美錦がともに勝ち、1敗で追っている。
【9日目取組結果】

 華麗に舞ってメモリアル金星だ。豊ノ島が9日連続“満員御礼”の場内を芸術的に魅了した。日馬富士に押し込まれた土俵際で「もうダメだ」と観念しかけた。しかし、幕内で通算10年務めたベテランの体は無意識のうちに反応していた。

 フィギュアスケートの「イナバウアー」を連想させる上半身の反りで、喉輪を外した。すかさず右の突き落としで一気に形勢逆転。最後は横綱のまわしの結び目をつかんで土俵下へ送り出した。自らは俵にかかった右足1本で踏ん張り、両手を広げてバランスを取るポーズでフィニッシュ。拍手喝采を浴びた。

 14年夏場所6日目の日馬富士戦以来4度目の金星。「気付いたら片足で残っていて。相撲内容としては…あんな逆転なんてねえ。でも節目の場所で金星を獲れてよかった」。04年秋場所の新入幕から幕内在位60場所目。その記念星は運と実力でたぐり寄せた。今場所は東前頭5枚目で本来なら横綱戦が組まれる可能性は低かった。上位に休場が出て、自身の好成績が重なり、チャンスが訪れた。8日目の白鵬戦は「恥ずかしながら久々すぎて緊張した」という不本意な内容。気合を入れ直し、日馬富士戦に臨んでいた。

 1メートル70の小兵ながら関脇経験があり、技能賞も4回受賞した技巧派。元歌手の沙帆夫人と一緒にテレビやイベント出演するなど土俵外でも人気者だ。注目を浴びれば、それだけ燃えるタイプ。「このまま星を伸ばして10個目の三賞を獲りたい」。次の夏場所は必ず横綱と対戦する地位に戻るため、もっとメモリアルの星を追加する意気込みだ。

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