遠藤が休場 4連勝も不運…左膝半月板、前十字じん帯損傷

[ 2015年3月13日 05:30 ]

遠藤(左)は松鳳山を突き落としで破っただが、左膝を痛める

大相撲春場所5日目

(3月12日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 幕内きっての人気者、平幕の遠藤が左膝の大ケガで6日目から休場することになった。松鳳山を突き落としで下した際に負傷。大阪府堺市内の病院で検査を受けた結果、左膝の半月板と前十字じん帯を損傷し、全治2カ月であることが判明した。新三役昇進に向けて4連勝と調子を上げてきたところで不運に見舞われた。全勝は横綱・白鵬、新関脇・照ノ富士、平幕・安美錦、千代鳳の4人となった。

 人気者の勝利に沸いていた“満員御礼”の場内が次第に騒然となった。土俵下に落ちた遠藤が立ち上がらない。何とか両足で立っても土俵の縁に手をついたまま。結局、土俵で勝ち名乗りを受けられず、左足を引きずって花道を引き揚げた。

 土俵際の右突き落としで松鳳山を下した際、バランスを崩した相手の体が左足にのし掛かった。花道を下がると、すぐに車椅子に乗せられて医務室へ。その後、堺市内の病院で検査を受けた結果、左膝の半月板と前十字じん帯を損傷し、全治2カ月であることを医師から告げられた。そのまま入院し、病院で2、3日の安静を取る予定で、きょう6日目からは休場する。前十字じん帯が断裂しているかどうかなどの詳細はまだ不明で、手術するかどうかも今後判断する。幕内下位で臨むことが予想される夏場所(5月10日初日、両国国技館)の出場も微妙な状況。師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は「ケガはつきものだから仕方ない。前向きに治して場所に出られるように一生懸命頑張ります」と話した。

 遠藤は我慢強いタイプという評判だ。日大3年秋のリーグ戦で右膝前十字じん帯断裂の大ケガを負った。約半年間のリハビリで克服し、4年でアマ横綱、国体の2冠に輝いた。この日は医務室から車椅子で戻った支度部屋で風呂に入り、着物を着る際は自力で直立。本人は終始、無言で心の内は明かさなかった。“痛がる姿を見せたくない”という意地にも見えた。

 「三役昇進」という目標を掲げた今場所は、初日黒星を喫したが2日目から巻き返して4連勝。目標へ順調に進み始めたところで大きな大きな試練を迎えた。

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