日本記録更新でボーナス1億円!マラソン日本復権へ 超大型ニンジン

[ 2015年3月13日 08:00 ]

04年アテネ金の野口みずき

 マラソンの男女日本記録更新に、1億円の超ビッグボーナスが設定されることが12日、分かった。陸上の実業団チームを統括する日本実業団連合が、20年東京五輪に向けた強化プロジェクトとして検討しており今月中に発表される見込み。五輪の表彰台から遠ざかるマラソン・ニッポン復権へ、破格のボーナスが起爆剤になる。

 ゴールテープの向こうに札束が待つ。レース終盤の疲労も吹き飛ぶ夢のようなプランだ。マラソンの男女日本記録を更新したランナーに1億円、その指導者にも5000万円の超ビッグボーナスが設定される。複数の長距離関係者は「ボーナスの話は聞いている」と明かした。日本実業団連合の20年東京五輪に向けた強化プロジェクトで、今月中にも発表される。

 男子は02年シカゴで高岡寿成がマークした2時間6分16秒から12年以上、更新されていない。女子の日本記録は野口みずきが05年ベルリンで叩き出した2時間19分12秒。2月の東京で今井正人が現役最速の2時間7分39秒、今月の名古屋ウィメンズで前田彩里が2時間22分48秒と好走したが、男女とも日本記録に遠いのが現状だ。

 夢舞台の表彰台からも、日本勢は遠ざかっている。男子は92年バルセロナ五輪銀メダルの森下広一、女子は04年アテネ五輪を制した野口以降、五輪でのメダル獲得はない。近年はスピードのあるアフリカ勢が世界選手権も含めた世界大会を席巻しており、日本記録更新に手間取っている日本とは大きな差が開いた。

 苦戦続きの現状を打破するため、日本実業団連合は破格のボーナスを設定。資金は登録各企業から募るとみられる。対象選手は実業団所属のランナーに限らず、公務員の川内優輝や学生にもチャンスは広がる。タイムが公認される大会なら、国内外問わない。日本記録だけでなく、男子で2時間8分切り、女子で2時間23分切りのランナーに1000万円、指導者に500万円というプランも浮上している。

 18日に日本実業団連合の理事会が行われ、複数選手が記録を更新した場合はどうするかなど、詳細を詰めて最終決定となる。既に大筋ではまとまっており、遅くても今秋から“ボーナスレース”はスタートする見込みだ。「日本記録でボーナスというのもどうか」と言う過去に実業団の監督を務めた関係者もいるが、現場のモチベーションが上がるのは間違いない。マラソン挑戦をためらっているスピードランナーの参戦も後押しする。過去に例を見ないニンジン作戦が、TOKYOの表彰台へつながっていく。

 ▽日本実業団連合 東日本、中部、北陸、関西、中国、九州の地域実業団連盟を統括する団体。現会長は西川晃一郎氏。ニューイヤー駅伝、全日本実業団対抗女子駅伝や、トラック&フィールドの全日本実業団対抗選手権などを主催する。昨年の各地域実業団駅伝予選には、計100チーム以上が参加した。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月13日のニュース