白鵬、逸瞬殺!沈黙の進撃 4連勝で北の湖超え805勝

[ 2015年3月12日 05:30 ]

逸ノ城(右)を破り全勝キープの白鵬

大相撲春場所4日目

(3月11日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 34度目の優勝と自身2度目の6連覇を目指す横綱・白鵬が逸ノ城を難なく寄り切り、順当に4連勝を飾った。自身の30歳の誕生日に北の湖を抜いて単独史上3位の805勝を達成した。審判批判騒動の影響から報道陣に対しては相変わらず無言を貫くが、三十路を迎えても横綱として絶対的な力を発揮した。

 どんなに特別な日でも白鵬は沈黙を守った。逸ノ城を万全の寄りで下して引き揚げてきた支度部屋。先場所の一夜明け会見での審判批判騒動の尾を引いているのか、3日連続で報道陣に背を向けて無言を貫く。東日本大震災から4年となる30歳の誕生日に、北の湖を超えて単独3位の幕内勝利805勝を達成。だが、例年とは違い、3月11日に対する熱い思いを伝えぬまま、帰路に就いた。

 言葉は発しなくなったが、横綱の最も重要な仕事である土俵で強さを示す役割は果たしている。過去の横綱と比べて白鵬の優れている点は休まないこと。20回以上の優勝をした力士の中で、横綱に昇進してから30歳までに休場ゼロは白鵬だけだ。「腰部捻挫」を患って30歳の誕生日を本場所休場中に迎えた北の湖理事長(元横綱)は「筋肉のたるみが出て力が落ちてくる可能性のある曲がり角の年齢」と説明。さらに「体を鍛え、常に柔軟性をつけないといけない」と対策を明かす。白鵬は場所中の朝稽古では四股などの基本を中心に約1時間みっちりと汗を流し、ダンベルを使って体も鍛える。自分の体は自分が一番理解している。

 また、力士会会長として被災地に土俵を贈る活動を率先して行うなど震災復興にも力を注ぐ。そんな横綱にとって今場所後も大仕事が待つ。来月20日に茨城県ひたちなか市で復興祈願土俵入りを行い、今月30日には相撲協会が阪神淡路大震災20年献花式を神戸市内で開催することも決定した。

 被災地支援に加え、子供相撲大会の開催、難病少年への支援協力、血液運搬車の寄贈など現役の第一人者として土俵外での活動を誰よりも行い、その思いを常に報道陣に対して熱弁してきた。だからこそ、審判批判騒動という一つの問題を境にして自らの思いを明かさなくなったのが、もったいない。白鵬らしさを取り戻すのは、いつになるのだろうか。

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