宇野 羽生以来Jr世界一!来季シニア挑戦「五輪に出たい」

[ 2015年3月9日 05:30 ]

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権で初優勝した宇野昌磨

フィギュアスケート世界ジュニア選手権最終日

(3月7日 エストニア・タリン)
 世界一のプリンスに続いた。男子でショートプログラム(SP)1位の宇野昌磨(17=中京大中京高)が、フリー2位の合計232・54点で初優勝。日本男子の優勝は10年大会を制し、のちにソチ五輪で金メダルを獲得する羽生結弦(ANA)に続いて5人目となった。山本草太(15=邦和スポーツランド)が215・45点の3位に入り、日本男子で複数メダルは史上初。佐藤洸彬(19=岩手大)は176・66点で15位だった。

 17歳と思えない高い修正能力が、大舞台での窮地を救った。SP首位でフリーを迎えた宇野は演技冒頭の大きなミスを乗り越え、昨年12月のジュニアGPファイナルとの2冠を達成。飛躍の今季を表彰台の中央で締めくくり「最後まで気持ちを切らさずにまとめられた。結果がついてきて良かった」と満足感に浸った。

 6分間練習までの動きの良さが一転、演技直前で“優勝”の2文字が頭をよぎった。「腰が引けた」。今季習得し、ここまで高い確率で成功を収めていた4回転トーループで踏み切りのタイミングが合わず、3回転になる失敗に終わった。

 普段は10点以上を獲得できる得点源で痛恨のミスだったが、すぐに切り替えた。「ここで攻めないとどうにもならない」。続く2本のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させてリズムをつくる。終盤に予定していた連続3回転ジャンプでは、跳びすぎ違反を避けるため後半を2回転に切り替える冷静さも光った。

 憧れの高橋大輔さんも制した世界ジュニア。日本男子の金メダルは、10年大会の羽生結弦以来5年ぶりだ。現在、世界の頂点に君臨する羽生について、宇野は「一生、かなわないなって思っている先輩」と言う。宇野が小学生時代から交流があり、試合会場などで会えば競技だけでなくゲームの話題などでトークに花を咲かす。今は実力差があっても、羽生と同様に同世代世界一になった自信が、進化を後押しするのは間違いない。

 来季は満を持してシニアに挑む。「やることはまだまだある。きょうもまた勉強になった」と言う17歳は「4回転の種類を増やしたい」とトーループ以外の大技習得にも気合十分。「五輪は夢の舞台。一度は出たい」。18年平昌(ピョンチャン)五輪で羽生と金メダルを争ってみせる。

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