錦織 笑顔なき4強 逆転勝ちも156位“旧友”の大胆プレーに苦戦

[ 2015年2月15日 05:30 ]

男子シングルス準々決勝でクライチェクを破りガッツポーズする錦織(AP)

男子テニス メンフィス・オープン男子シングルス準々決勝 錦織 4―6、6―3、6―4 クライチェク

(2月13日 米テネシー州メンフィス)
 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク5位で第1シードの錦織圭(25=日清食品)が4強入りを決めた。同156位のオースティン・クライチェク(24=米国)に4―6、6―3、6―4で逆転勝利を収めた。14日午後7時(日本時間15日午前10時)以降に行われる準決勝では同41位のサム・クエリー(27=米国)と対戦する。前身の全米室内選手権からの3連覇へ、また一歩近づいた。

 錦織に笑顔はなかった。2時間10分、フルセットでの逆転勝ちで4強入りを決め「最後はどうやって勝ったか分からない」とコート上のインタビューでも表情は硬かった。ショットを決めた後の軽快なステップや、力強いガッツポーズは数えるほどで「ベストなプレーではなかったが勝つことが大事」と自分に言い聞かせるように話した。

 ジュニア時代から知る左利きのクライチェクに苦しめられた。同じ米フロリダ州のアカデミーで過ごした旧友は「ケイにペースを握らせないことを考えた」と対策を講じてきた。サーブのコースを散らして出足を封じ、勝ち目がないストローク戦を避けて積極的に前に出た。錦織は「一番の想定外はサーブ。ネットプレーや速い展開もあり、びっくりさせられた」と大胆なプレーに集中力を乱された。

 それでも勝負どころでは地力の差を見せつけた。第3セット、4―4の第9ゲームはバックのリターンエースでブレークに成功。「少しずつリターンで重圧をかけられたし、最後は読みが当たった」。初戦と同様に第1サーブの確率は60%に届かず、ダブルフォールトは8つと本調子とは言えないが、策を練ってきた相手に世界5位の意地を見せつけ、自身初のツアー同一大会3連覇へ踏みとどまった。

 準決勝は世界41位で10年大会を制したサム・クエリーと対戦する。ツアー7勝の実力者との過去の対戦成績は2勝3敗。「まだミスも多いし、サーブも良くしないといけない。もっと集中力を高めて良いテニスをしたい」。3連覇に向けて、日本のエースは気を引き締めた。

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