白鵬 報道陣に逆切れ「なにいっ」淡泊相撲にファンもため息

[ 2015年2月9日 05:30 ]

引き揚げる際、厳しい表情で記者に「何イー」と言った白鵬

 第39回大相撲トーナメントが8日、両国国技館で行われ、初場所で単独史上最多となる33度目の優勝を飾った横綱・白鵬(29=宮城野部屋)が2年連続で初戦の2回戦で敗退した。初場所後に勝負判定への不満から審判部を公然と批判した問題を起こしたばかりだが、この日は横綱の気の抜けた内容に満員御礼の館内もため息。看板力士として自覚を欠く態度に対し、協会幹部やファンからも不満の声が漏れた。

 いくら本場所ではないとはいえ、白鵬の土俵態度にファンや親方衆から批判の声が相次いだ。初戦となる2回戦。初場所で右膝を痛めて途中休場もしていた平幕・常幸龍を相手に粘ることなく、簡単に寄り切られた。

 初戦敗退は昨年の佐田の富士戦に続いて2年連続…。満員御礼の館内からはため息が漏れ、土俵下で見守った審判部の藤島副部長(元大関・武双山)は「本場所じゃないけど、強い大関、横綱を見に来ているんだから、もう少し気合を入れて頑張ってもらいたかった」と看板力士としての自覚を促した。

 子供2人を含む家族4人で国技館を訪れた40代の男性ファンは「勝ちにいく気持ちがもとからあったのかな?なんか不自然な足の出方をしていたし…。子供も見ていたし、せめてもうちょっと上で取ってほしかった。サービス精神がない」と痛烈に批判した。

 “V33”を飾った初場所後、取り直しとなった一番の判定に対し「子供が見ても分かる相撲」などと審判部を批判し騒動を起こしたばかり。バラエティー番組で謝罪の弁を述べたが、伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)も「そうなの?」と知らなかったほどの一方的な幕引きだった。この日も審判部に出向くことはなく、初戦敗退で引き揚げた支度部屋では報道陣に背を向けて取材を拒否。帰り際に「審判部にあいさつに行く考えはあったか?」と問われると「なにいっ!!」と声を張り上げる場面もあった。

 日本相撲協会の元外部委員でテレビ中継にゲスト出演していた漫画家やくみつる氏はスポニチ本紙の取材に「審判部批判というのは、3日間出場停止ぐらいの処分を出してもいい。サッカーだとレッドカードですから。早く謝った方がいいが、機会を逸している」と述べた。“反省の色なし”とも捉えられかねない自らの行動により、横綱に吹く逆風は日に日に強くなっている。

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