ペイトリオッツ 再逆転V!ブレイディー記録ずくめMVP

[ 2015年2月3日 05:30 ]

シーホークスに勝利し、喜ぶペイトリオッツのQBブレイディー(AP)

第49回スーパーボウル ペイトリオッツ28―24シーホークス

(2月1日 アリゾナ州グレンデール)
 ペイトリオッツが10点差をはねのけて再逆転に成功し、28―24で昨年覇者のシーホークスを破り、10年ぶり4回目の優勝を飾った。史上最多37回のパスを成功させて4TDをマークしたQBトム・ブレイディー(37)が3度目のMVP。通算TDパスは13となり、ジョー・モンタナ(49ers=11)を上回ってこれも史上最多となった。シーホークスは残り26秒に敵陣1ヤードまで攻め込んだがQBラッセル・ウィルソン(26)がパスをインターセプトされて涙をのんだ。

 残り26秒。「勝たせてくれ」とブレイディーはサイドライン際で祈っていた。「この世界に入って15年。つらい負け方は何度も経験している。今回もそうなのかと思った」。再逆転はしたものの流れはシーホークス。WRカースは倒れながらも自分の体に3回当たって跳ねたボールを地面に落とさず奇跡的なキャッチをしていた。そして第2ダウンでエンドゾーンまで1ヤード。シ軍にはリーグを代表するRBリンチが控えていた。3回走れば1ヤードの獲得など朝飯前。そう思った瞬間、シ軍ウィルソンはWRロケットにパスを投げ、それをペ軍のセーフティー、バトラーが奪い取った。

 「信じられなかった。勝つにはあれしかないと思っていたけれど、まさかそんなことが起こるなんて…」。同じグレンデールで行われた42回大会ではジャイアンツに14―17で苦杯。その鬼門の地で13歳年下の選手に助けられたベテランは、10年ぶりに大舞台で笑顔を取り戻した。

 サンフランシスコ郊外の出身。少年時代から49ersのモンタナを見て育った。そしてついにQBとしての優勝回数(4回)とMVP(3回)は“ヒーロー”に並んで最多。通算TDパスは2つ上回った。「彼は不敗(4戦全勝)だけど自分は2度負けている。だから記録のことは意識していなかった」。その謙虚な態度は不変だが、ウイニングドライブとなった第4Q残り4分50秒からの攻撃では8回全てのパスを成功。20世紀に「モンタナ・マジック」と呼ばれた神業は、QBの名前を変えて21世紀に受け継がれていた。

 「少し年を取ったし、一人では勝てない。きょうはチーム全員の勝利。みんなタフだった」。自身6回目の大舞台。ブレイディーは憧れだったモンタナを超え、仲間のサポートに支えられて4度目の頂点に立った。

 ▼ペイトリオッツ・ベリチック監督 決していい試合内容ではなかったが闘争心があったから勝てた。シーズン通して精神面の強さを感じていた。(ブレイディー同様にスーパーボウル4勝目。監督としては最多タイ)

 ◆トム・ブレイディー  1977年8月3日、カリフォルニア州出身の37歳。ミシガン大から00年ドラフト6巡目(全体199番目)の遅い指名でペ軍入り。シーズンMVPは2回。1メートル93、102キロ。スーパーモデルのジゼル・ブンチェン夫人(34)との間に2人の子供がいる。今季年俸は1480万ドル(約17億4600万円)。

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2015年2月3日のニュース