審判批判の白鵬 協会に苦情殺到、07年朝青龍サッカー騒動以来

[ 2015年1月28日 05:30 ]

物言いがついた初場所13日目の白鵬・稀勢の里の一番。土俵上で審判の親方が協議

 大相撲の初場所で大鵬を抜き、単独史上最多の33度目の優勝を達成した横綱・白鵬(29=宮城野部屋)が審判を批判したことについて、日本相撲協会には27日、ファンから苦情の電話が殺到した。協会から注意を受けることが濃厚となった師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は取材に対応しなかった。

 日本協会の電話は午前9時30分の始業から夕方5時15分の終業まで鳴りやまなかった。担当者によると、その数は100件以上。9割は「相撲界に人種差別があるように言っているけれど、誰もそんな目で見ていない」「審判に物申すというのは、日本人でもモンゴル人でもあってはいけないこと」など白鵬の発言に対する批判や反論、1割が擁護の意見だったという。その反響の大きさは「(07年にケガで巡業を休みながらモンゴルで中田英寿氏とボールを蹴っていた)朝青龍のサッカー以来ですかね」と同担当者は語った。

 問題発言は単独史上最多33回の優勝を全勝で決めた千秋楽から一夜明けた26日の会見で飛び出した。白鵬は13日目の稀勢の里戦で取り直しとなった最初の一番について「子供が見ても分かる相撲」などと審判の判定を批判。それを聞いた北の湖理事長(元横綱)は師匠の宮城野親方に注意を通告する方針を示した。

 この日宮城野親方は部屋から外出した際には終始険しい表情で報道陣の問いかけに対して無言を貫いた。世間の風当たりは強くなっているが、親方も白鵬本人も謝罪や釈明のために協会を訪れることはなかった。

 28日には春場所の番付編成会議が行われ、審判部の委員が集まる。白鵬から批判を受けた審判部がどう対処するのか。毅然(きぜん)とした態度が求められる。

 ▽朝青龍のサッカー騒動 07年7月、横綱・朝青龍は腰の疲労骨折と肘痛などを理由に夏巡業を休場していたが、帰国したモンゴルでサッカー元日本代表の中田英寿さんと一緒に地元の子供たちとサッカーをしている様子がテレビで報じられ、大問題となった。朝青龍は2場所出場停止、4カ月の減俸および謹慎、さらに師匠の高砂親方は減俸の厳罰処分となった。

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