アサヒビールが「ゴールドパートナー」契約、室伏ビールで祝杯だ

[ 2015年1月28日 05:30 ]

会見でポーズを取る(左から)日本パラリンピック委員会・山脇康委員長、アサヒビール・小路明善社長、東京五輪・パラリンピック組織委員会・森喜朗会長、同・室伏広治SD、日本オリンピック委員会・青木剛副会長

 アサヒビールは27日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と国内最高位の「ゴールドパートナー」契約を結んだ。契約の業種はビールとワインで、26日に発表したNTTに続いて2社目。都内で行われた会見には、陸上男子ハンマー投げの04年アテネ五輪金メダリストで組織委員会の室伏広治スポーツディレクター(SD、40)が登場。室伏SD監修による新商品を開発し、必勝アイテムとして売り出すプランが浮上した。

 グランドプリンスホテル新高輪の会見場には、100人以上の報道陣が集結した。アサヒビールの小路明善社長と組織委員会の森喜朗会長がそろって調印し、がっちり握手。室伏SDも壇上で笑顔を浮かべ、拍手した。

 「ゴールドパートナー」契約によって、アサヒビールは20年12月末までの6年間、五輪マークを使った宣伝などができる。その目玉は“室伏ビール”や“室伏ワイン”になりそうだ。12年ロンドン五輪でも、室伏SDが監修した新ジャンル「アサヒジャパンゴールド」は爆発的なヒット商品となった。JOC公式ライセンス商品として期間限定発売されると、約2カ月で58万ケースという驚きの売り上げをマーク。日本代表を応援しながら飲むというコンセプトが大いに受け入れられた。

 「食文化やおもてなしの精神を世界に発信するお手伝いができればいい。専用商品の発売で売り上げの拡大も図りたい」と語った小路社長は「JOCや各所に確認してOKなら」と前置きした上で「室伏さんに、より多くの商品を監修していただきたい」と期待を込めた。

 同社は「その感動を、わかちあう。」をコンセプトに、看板商品のビール「スーパードライ」、発泡酒「スタイルフリー」、新ジャンル「クリアアサヒ」などヒットを連発。室伏SD監修の新商品への期待が高まる中で、小路社長は「アサヒビールのDNAは“挑戦”です。お客さまの期待を超えるおいしさ、喜び、新しさを感動と定義し、日本全体が大会に向けて盛り上がっていくよう、貢献していきたい」と力を込めた。

 室伏SD本人も「ジャパンゴールドを監修させていただき、CMにも出た。勉強になったし、アスリートの立場から助言させてもらえたら」と前向き。「スポンサーさんの存在は選手の強化につながる。貴重な財源をありがたく受け止め、1人でも多くのメダリストが出るようにしたい。有形無形のレガシー(遺産)を残したい」と語った。

 金メダリストがプロデュースするビールやワインなどは日本選手団の壮行会や結団式はもちろん、選手村に導入される可能性もある。5年後には“室伏ビール”や“室伏ワイン”を飲んだ後輩たちによって金メダル量産が期待される。

 ▽五輪のスポンサー 各五輪の大会組織委員会は大会準備や運営に充てる独自財源確保のために、当該国内でマーケティング活動を行い、スポンサーを集めることができる。ただし、国際オリンピック委員会(IOC)が世界的に展開する最高位の制度「TOPプログラム」より下位の位置づけで、TOPプログラムでIOCと協賛社が大型契約を結んだ以外の業種に限られる。IOCは五輪マークの使用など独占的な商業活動を協賛社に認め、日本のパナソニック、ブリヂストンを含む11社がスポンサーとなっている。

 【アサヒビールと五輪】

 ☆バンクーバー五輪 「アサヒスーパードライ」と「クリアアサヒ」のバンクーバー五輪日本代表応援デザイン缶を数量限定発売。「アサヒスーパードライ デザイン缶くじ付きキャンペーンパック/カートン」、「クリアアサヒ デザイン缶くじ付きキャンペーンパック」など計7品種。

 ☆ロンドン五輪 日本代表を応援しながら飲む、期間限定の新ジャンル「アサヒジャパンゴールド」を発売。監修は室伏。CMキャラクターには松岡修造氏と室伏が登場。ロンドン五輪開催期間中の7月26日から8月11日まで、ロンドン五輪「JOCジャパンハウス」にPRブースを設置。

 ☆ソチ五輪 「ソチ五輪日本代表応援」デザイン缶の第1弾を13年11月に、第2弾を14年1月に発売。五輪日本代表を応援しながら飲む、期間限定の新ジャンル「アサヒクリスタルゴールド」を1月に発売した。

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