【松岡修造の目】悲観しなくていい。自分を信じて突破口見いだせた

[ 2015年1月25日 08:45 ]

日の丸が掲げられる中、錦織はファンの歓声に手を上げて応える(AP)

全豪オープンテニス第6日・男子シングルス3回戦

(1月24日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 圭は思うようにいかなかったと言うが全然悲観しなくていい。これはテストだったのだと思う。

 今回ジョコビッチ、ラオニッチ、ディミトロフと話す機会があった。「圭は今はランキング以上のプレーをしている、世界No・1の一人。あとはこういうプレッシャーの中でどういうプレーをするかだ」と彼らは注目していた。この重圧をどうパスしていくか。4回戦まで勝ち上がって1次試験は合格だ。しかもいい形で受かった。

 第1セットも悪いとは思わなかった。ジョンソンはフォアを“イチかバチかショット”で打ってきたし、リターンでも積極的。あれだけ攻撃されたら誰でもリズムに乗れない。ただし、あのテニスはいつまでも決まらない。続いていたらジョンソンは今頃世界一だ。

 リズムを取り戻すきっかけは第2セット出だしの圭のプレーの仕方にあった。第1セットを取ってジョンソンはノリノリ。そうすると圭も焦って今までのプレーからペースを上げたくなる。でも、ラリーの数を増やしてストロークでしぶとくプレーした。相手のプレーがいつまでも続かないことが分かっているから我慢もできた。プレッシャーの中でも自分のテニスを信じて突破口を見いだす。それができたのが一番の収穫だった。 (スポーツキャスター)

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2015年1月25日のニュース