暁斗 意地の2位!9季ぶり国内大会「日本人が結果残さないと」

[ 2015年1月25日 05:30 ]

後半距離で巻き返し、2位に食い込んだ渡部暁

ノルディックスキー W杯複合個人第12戦

(1月24日 札幌市大倉山ジャンプ競技場ほか)
 ソチ五輪銀メダリストで日本のエース、渡部暁斗(北野建設)が2位に入った。表彰台は3位となった第10戦以来、今季3度目。前半飛躍(HS134メートル、K点120メートル)は11位だったが、後半距離(10キロ)は9人抜きで巻き返した。前半4位につけた渡部善斗(北野建設)も今季自己最高の5位に入った。エリック・フレンツェル(ドイツ)が第8戦からの連勝を5に伸ばし、通算23勝目を挙げた。

 表彰台を確信したゴール直前。渡部暁はうっすらと笑みを浮かべ、観客に右手を突き出して声援に応えた。今季3度目の表彰台。しかも9季ぶりの国内でのW杯でつかみ取った。「日本人の誰かが結果を残さないといけなかった。それが僕だったのはうれしい。(地元・長野の)白馬で開催されていればもっとうれしいけど」と冗談交じりに笑った。

 07年ノルディック世界選手権以来となる札幌での大会だった。前日23日は悪天候の中、飛躍で14位と出遅れて11位に終わった。そのフラストレーションをぶつけるかのように、この日は前半飛躍で124・5メートルをマークして11位につけると後半距離では怒とうの9人ごぼう抜き。「レース展開を見極めてトップをキープできた」と振り返った。

 昨年2月のソチ五輪から約1年。個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得したことで、帰国後は連日の祝賀会やイベントで多忙を極めた。新シーズンに向けては例年より練習量が落ち、今季はW杯で2桁順位が続いた。「苦しくて当然。もう一段レベルを上げるためにも、こういう苦しいシーズンはある。苦しい中でもなんとか力を出していけるようになった」と自身の成長を実感している。

 2月には世界選手権(スウェーデン・ファルン)が控えている。「まだ走りのテクニック的にしっくりしていない。しっかり修正し個人初のメダルを獲得したい」と語気を強めた。

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