青学大 神野大地3代目“山の神”に名乗り「どれだけ粘れるか」

[ 2015年1月1日 13:28 ]

練習で丘のコースを走る青学大の神野

第91回箱根駅伝 1月2、3日

 3代目“山の神”に名乗りを上げる。1メートル64、43キロと長距離ランナーの中でもひときわ小柄な神野だが、粘り強い走りが持ち味。「春先から5区を走りたいと思っていた。5区は山の適性じゃなくて、キツイところでどれだけ粘れるかだと思っている」と淡々。「最初の5キロはゆったり入って、宮ノ下からが勝負」と天下の険に挑むイメージもできている。

 中京大中京高時代は無名だった。大学入学時の体重は39キロ。「ご飯もいっぱい食べますよ」と苦笑いするが、体幹、筋力トレーニングも含め、体づくりに努めてきた。今でも普段着のズボンのベルトを締めると、ウエストの布が寄ってしまう細身だが、青学大が今季から導入したコア・トレーニングの成果もあり「ケツの穴を締めると(風に)飛ばされない」と強風にも自信はある。

 伝統も受け継ぐ。青学大は上級生と下級生が同部屋になることがしきたり。1年時は当時のエース出岐雄大(現中国電力)と相部屋で「生活が陸上中心だった。姿勢を見習わないといけない」と競技への取り組み方を学んだ。寮内の共有スペースで神野が率先してストレッチなどに取り組んだことで、チーム全体が自主的にトレーニングを行うようになったという。初の頂点へ、新エースは背中で見せている。

 就任11年目の原晋監督も期待を寄せる。「柏原君じゃないけど、全身を使って腕をぐわっぐわっと振って走る背中を見てたら頼もしくて」と身ぶり手ぶりを交えて力説。神野も「3代目“山の神”になれるように頑張る。往路優勝のゴールテープを切れるようにしたい」と意気込む。“山の神野”が誕生したとき、初優勝への道が見えてくる。

 ◆神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日、愛知県津島市生まれの21歳。神守中―中京大中京高。今年5月の関東学生選手権2部ハーフマラソン優勝。全日本大学駅伝は8区3位。自己ベストは1万メートルが28分41秒48、ハーフマラソンが1時間2分42秒。1メートル64、43キロ。

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2015年1月1日のニュース