町田、電撃引退 来年4月から早大大学院へ「研究者目指す」

[ 2014年12月29日 05:30 ]

突然の現役引退を発表した町田は涙するファンの拍手を受けながら笑顔でリンクを去る

 “氷上の哲学者”から最後のビッグ・サプライズだった。全日本選手権4位ながら世界選手権代表に入った町田が、現役引退を発表した。この日の朝に決断し「この全日本をもちまして現役を引退することを決めました」とファンの前で宣言。代表も辞退して来年4月から早大大学院スポーツ科学研究科に進み、「将来は研究者を目指したいです」と話した。日本連盟の小林フィギュア強化部長も「全く知りませんでした」と言う、まさに電撃発表だった。

 町田は12年11月の中国杯でGPシリーズ初優勝を飾るなど頭角を現し、2月のソチ五輪5位、3月の世界選手権で銀メダルを獲得。演技だけでなく、「おい町田樹、どうするんだ!」、「ビッグバンですよ。僕の“火の鳥”は宇宙まで飛ぶ」、「きょうは日本はバレンタイン。あした逆バレンタインできるように頑張ります」など“町田語録”にも注目が集まった。

 11月のフランス杯からの帰国時には、来春以降の進路について「時がたてば。時がたてば、ね」と言葉を濁していた。今後はアイスショーには出演するものの、学生生活に軸足を置く。「フィギュアスケートをスポーツマネジメントの領域で考察する研究者として、社会から必要とされる人材となるべく、真摯(しんし)に新たな道を歩んでいく所存であります」。第二の人生でも、「町田樹」という唯一無二の存在であり続ける。

 ◆町田 樹(まちだ・たつき)1990年(平2)3月9日、神奈川県川崎市生まれ。千葉県松戸市に住んでいた3歳の時にスケートを始める。その後、広島県に引っ越し、倉敷翠松高から関大に進学。大学進学後に力を付け、GPシリーズ4勝。ソチ五輪5位。1メートル62、53キロ。

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