桐生 夢の9秒台へ共闘、ライバル飯塚&山県と合同練習

[ 2014年12月23日 05:30 ]

今オフ、週1度の合同トレーニングを行っている(左から)飯塚、桐生、山県

 夢の9秒台へ、日本スプリント界のエース候補が力を合わせる。男子100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀(19=東洋大)、10秒07の山県亮太(22=慶大)、男子200メートルの飯塚翔太(23=ミズノ)が今オフ、週1回の合同練習をしていることが22日、分かった。所属の垣根を越えた異例のトレーニングで、来季の9秒台突入を目指す。日本陸連はこの日、年間表彰式を行い、最優秀選手には十種競技でアジア大会を制した右代啓祐(28=スズキ浜松AC)が選ばれた。

 1週間前の15日に19歳になった桐生が、来季へ動きだしていた。今秋のアジア大会(韓国・仁川)欠場の原因となった左太腿裏肉離れは完治し、既に本格的なトレーニングを再開。東洋大で汗を流すだけでなく、100メートルのライバル・山県のオファーに応じ、毎週水曜は都内の味の素ナショナルトレセンで200メートルで10年世界ジュニア選手権を制し“和製ボルト”と呼ばれる飯塚と3人で練習を積んでいる。「みんな一緒のメニューで、より追い込める」と桐生は笑みを浮かべた。

 東洋大の桐生、慶大の山県、中大からミズノに進んだ飯塚とそれぞれ所属は違う。飯塚が「珍しいことなんじゃないですかね」と言うように、所属の垣根を越えた合同練習は日本代表合宿を除けば異例だ。飯塚によると、先週は250メートル+120メートルを数本こなすインターバルトレーニングを敢行したという。「ちょっとでもスピードを緩めたら、後ろにいってしまう。スピードを出した練習としては、いけてるなと思う」と桐生。現在の日本スプリント界のトップが集結した練習は、何よりの刺激になっている。

 今季の桐生は10秒05の自己2番目の記録をマークし、日本選手権も初制覇。世界ジュニア選手権男子100メートルでも銅メダルを獲得したが、最大目標のアジア大会は無念の欠場に終わった。自身にとっての今年の漢字は、「悔しいの“悔”でいきます」と話した。高校時代よりも「少しお尻が小さくなった」といい、臀部(でんぶ)の筋力アップのため、これまで取り組んでこなかったウエートトレーニングにも着手した。来季初戦は4月の織田記念男子100メートルの予定。充実のオフが、ワンダーボーイの進化を後押しする。

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2014年12月23日のニュース