“タカマツ”組 日本勢史上初世界女王!リオ五輪金へ手応え

[ 2014年12月22日 05:30 ]

バドミントンのスーパーシリーズファイナルの女子ダブルスで優勝し、喜ぶ高橋(左)、松友組

バドミンントン スーパーシリーズファイナル

(12月21日 UAE・ドバイ)
 “タカマツ”が世界の女王になった。女子ダブルス決勝で世界ランク2位の高橋礼華(24)、松友美佐紀(22=ともに日本ユニシス)組がロンドン五輪金メダルで同1位の田卿(デンキョウ)、趙(チョウ)ウンライ組(中国)を2―0のストレートで下し、初優勝を果たした。各種目に年間上位8人、8組が出場するファイナルで日本勢の優勝は初の快挙。2年後のリオデジャネイロ五輪で金メダルが視界に入ってきた。

 勝利の瞬間、2人同時に両手を高く掲げ、ガッツポーズをした。松友は「中国も本気だった大会で勝ててうれしい。落ち着いて相手が見えていた」と喜びを爆発させ、高橋は「狙って獲ったタイトルは格別にうれしい。凄い大会での優勝は今後の自信になる。相手を揺さぶって疲れさせることができた」と胸を張った。宮城・聖ウルスラ学院英智高からペアを組んで8年目。“タカマツ”が16年リオ五輪の金メダル候補に名乗り出た。

 第1ゲームは出だしから5連続得点で主導権を握った。13―13、さらに17―17と2度追いつかれたが、そこから4連続得点で先取。第2ゲームも中盤以降、ロンドン五輪金メダルの世界ランク1位ペアを突き放した。世界一の前衛と評される趙ウンライのネットプレーを警戒し、大きく回す作戦が奏功。最後は相手の放ったシャトルがネットに掛かり、対戦成績で2勝9敗だった難敵を退けた。

 4連覇を狙った今月初旬の全日本総合選手権は準々決勝敗退。高橋は「すぐにファイナルがある。中国ペアの角度に合わせている今の状態を日本のレベルに合わせるわけにはいかなかった」と球筋が国内選手と違う中国対策の影響を口にしていた。狙った世界一の座を射止め、実力を示した。

 5月の国・地域別の団体戦ユーバー杯では6戦全勝で日本の銀メダルに貢献。9月の仁(イン)川(チョン)アジア大会で銀メダルを獲得し、10月には世界ランク1位を記録。「1位といっても4週間だけ。スーパーシリーズも1回しか優勝できていない」と高橋は謙遜したが、一年を通して上位で安定した成績を残していた。「五輪の金メダルを目指して頑張る」と松友。金メダルへの道筋が見えてきた。

 ◆高橋 礼華(たかはし・あやか)1990年(平2)4月19日、奈良県橿原市出身の24歳。宮城・聖ウルスラ学院英智中から聖ウルスラ学院英智高に進み、高3時に高校総体で松友と組んだ女子ダブルスで優勝。09年に日本ユニシス入社。1メートル64、58キロ。

 ◆松友 美佐紀(まつとも・みさき)1992年(平4)2月8日、徳島県徳島市出身の22歳。聖ウルスラ学院英智高時代から1学年上の高橋とダブルスを組み、高校総体優勝。シングルスでも10年世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得。10年に日本ユニシス入社。1メートル59、51キロ。

 ▽スーパーシリーズ 世界バドミントン連盟(BWF)が五輪、世界選手権に次ぐ格付けで、07年にスタートした年間12大会で戦うシリーズ。そのうち伝統の全英、マレーシア、インドネシア、デンマーク、中国の5つのオープンはプレミアとされ、世界ランキングのポイントが高い。ファイナルは08年から行われており、年間上位8人、8組で争われる。

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