冨田 韓国での裁判に向け「無実を証明してきたい」

[ 2014年12月4日 16:48 ]

記者会見で唇をかむ冨田

 9月の仁川アジア大会でカメラを窃盗したとして略式起訴された競泳男子の冨田尚弥(25)が名古屋市内で会見を開き、来年1月12日に予定されている初公判に向けて「無実を証明してきたいと思います。(カメラは)取っていない」と決意を述べた。

 裁判への不安を報道陣に問われると「取り調べのときもそうだったが、通訳がしっかりしていなかったので、言葉の壁は大きく感じる」と答えた。

 冨田は、当時の状況について新たに思い出すことはあるか?と聞かれると「ない」と答えたが、「正式裁判に踏み切るか、迷う気持ちはあったか?」とうい質問には「費用の問題もあった。手紙などをもらって(自分の)応援してくれる人いると思って決めた」と答えた。

 「冨田選手を支援する会」が発足。全国から冨田に対して激励の手紙や裁判費用などにと支援金が送られてきたという。

 今は「全く泳ごうという気になれない」と答え「裁判が終わってみないと分からない」と答えた。

 代理人の国田武二郎弁護士は「JOCと質問状を2度交わしたが、JOCが見た映像も部分的で彼が決定的に(窃盗)したとは言えない。レンズを外したところは見ていないようだ」と話し、(1)映像の真偽、(2)自白調書の証拠能力を争点とする構えを示した。

 韓国での正式裁判の代理人を務める黄文錫弁護士は「彼の無実を信じて、一生懸命戦いたい。証拠開示を見てから、今後の方針を決めていきたい」と話した。一般的には略式裁判の場合、制式裁判と比べ無実になる可能性が高いとし「ひっくりかえる可能性はあると思う。証拠によって変わってくる」と見解を述べた。

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