日本バスケ協会“解体”へ 強制介入、FIBA主導で改革

[ 2014年11月28日 06:35 ]

FIBAから無期限の国際試合禁止処分を受け、記者会見で選手、関係者に謝罪する日本バスケットボール協会の丸尾充会長代行

 日本バスケットボール界に黒船が襲来する。国際バスケットボール連盟(FIBA)は26日、日本バスケットボール協会(JBA)が国内統括団体の機能を果たしてないとして日本の加盟資格を停止し、国際活動の参加権利を剥奪した。通告文書によれば、今後はFIBAが新たに設立する「日本2024バスケットボールタスクフォース」(仮称)が改革を主導。JBAの“解体”を進める。JBAは27日に都内で緊急の常務理事会を開いて通告の内容を確認。丸尾充会長代行が会見を行った。

 丸尾会長代行は会見冒頭で頭を下げた。「選手の皆さん、関係者に深くおわびを申し上げたい。何とか早く解決することが我々に与えられた使命」。謝罪の言葉を口にして改革協議続行への意欲を示したが、その使命はすでに他者の手に委ねられていた。

 FIBAからの文書には、処分の通知だけでなく「タスクフォース」(特別チーム)設置という通告も含まれていた。その役割は「困難な時期を乗り越えるようJBAを導くこと」などとあり、JBA首脳陣に代わって改革の道筋をつけることになる。

 ただし、人選や人数は不明。早ければFIBAのスタッフが年内にも来日し、人選と権限を決定するという。丸尾会長代行は「メンバー構成も具体的に何をやるかも分からない。いろいろと質問をして回答を待っている」と話すにとどめたが、JBA改革のための強力な実行力を伴う特別編成の組織になるとみられる。文部科学相幹部は「改革で主導権を握るのはFIBA。戦後のGHQ(連合国軍総司令部)の統治下の日本のように、協会は言われるままにやっていくしかないだろう」と予想。丸尾会長代行は「第三者の貴重な意見を受け入れ、ぜひ事態を進展させたい」と助力には期待したが、身を切る覚悟が必要になる。

 タスクフォースの仮称には「2024」の数字が含まれている。これから10年。日本バスケの改革にはそれだけの時間がかかるとFIBAは考えているのかもしれない。処分が長引けば、五輪のアジア予選を兼ねる来年9月のアジア選手権出場も危ぶまれる。10月に辞任した深津泰彦前会長の後任選びも、タスクフォースが新たな選任方法を決めてからやり直しとなる。先行きはまるで見えない。強烈な外圧にさらされたJBA、そして日本のバスケットボール界にもはや逃げ場はない。

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2014年11月28日のニュース