常翔学園 車いすのキャプテン誕生 金沢頭脳で日本一導く

[ 2014年11月25日 12:48 ]

高校ラグビーの名門・常翔学園の新チーム主将になった金沢

 全国優勝5回を誇る高校ラグビーの名門・常翔学園(大阪)に車いすのキャプテンが誕生した。金沢功貴(2年)は22日に新チームの主将に就任。2年連続で花園出場を逃したチームをまとめ、来シーズンの日本一を目指している。

 「2年前に全国優勝をした山田主将(同大)に憧れ、自分も主将で優勝したいと思っていた。グラウンドに立てなくても、目標は変わらない」

 昨年8月、長野県菅平での練習中にラックの下敷きになり頸椎脱臼骨折、頸椎損傷の重症を負った。緊急手術を受けたものの、首から下が麻痺した。リハビリを経て、今は物はつかめないものの、左腕を動かせられる。右腕もひじが動くようになった。練習中は部員らに車いすを押してもらって選手に近づき、指示を与える。学校へは両親の送り迎えで通っている。

 中学では大阪府ラグビースクール選抜の主将として全国優勝。野上監督は「ひたむきで明るい。ケガがあってもなくても主将になる存在」と語る。重傷事故でフォワード選手の道を断たれた金沢は今、戦術、分析の勉強に意欲的だ。「外からしか見られないが、戦略は考えられる」。車いすの主将はチームの頭脳として名門を支えていく。

 ≪支援を募る≫日本ラグビー協会は傷害の程度に応じて見舞金を支給する制度を設けている。手術や入院費に充てられる。ただし、住居のバリアフリー化、専門リハビリの継続などで多額の費用がかかり、見舞金制度だけではまかないきれないのが現状だ。常翔学園では「金沢功貴くんを支援する会」を設立し、支援を募っている。詳しくは同校ラグビー部ホームページ。

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2014年11月25日のニュース