日馬 連日の金星配給…3連敗なら“休場勧告”も

[ 2014年11月13日 05:30 ]

お得意さまだった栃煌山に押し倒され連日金星配給の日馬富士

大相撲九州場所4日目

(11月12日 福岡国際センター)
 大相撲九州場所4日目が12日に行われ、横綱・日馬富士は栃煌山に押し倒され、2日連続の金星配給で2敗となった。先場所は眼窩(がんか)内壁骨折で途中休場。強行出場を決断した中で結果を残せていない横綱に対し、横綱審議委員会(横審)の内山斉委員長(読売新聞グループ本社顧問)は5日目の勢戦も敗れれば“休場勧告”することを示唆した。全勝は2横綱に稀勢の里、平幕の隠岐の海、旭天鵬を加えた5人となった。

 まだ4日目が終わったばかりだが、日馬富士が崖っ縁に立たされた。平幕の栃煌山に当たりを簡単に受け止められると一方的に攻め込まれる。土俵際まで追い込まれて左にはたいて右足だけで残そうとしたが、粘り腰もなくバランスを崩して倒れた。前日も勇み足で高安に敗れており、昨年春場所以来、自身2度目の2日連続金星配給。そのショックから土俵上でうつぶせとなり、5秒間も起き上がれなかった。

 花道を引き揚げてくるなり「駄目だ。くっそ」とつぶやき、支度部屋では残り11日間に向け「頑張る」と発するのが精いっぱいだった。先場所は右眼窩(がんか)内壁骨折で途中休場し、本格稽古を再開したのは福岡入り後の先月末。出場するかどうかを決断したのも初日3日前だった。136キロと軽量の日馬富士は継続的に稽古することで自信を得るタイプであり、量が足りないことは明らか。量より質を求める白鵬とは違い、稽古の貯金だけで横綱を張ることは厳しいようだ。

 横審の内山委員長は「序盤で3敗以上すると休場せざるを得ない」と5日目の勢戦も敗れれば“休場勧告”を突きつけることを宣告。相撲協会には金星を獲得すれば場所ごとに力士に支給される褒賞金に4万円が加算される制度がある。日馬富士は在位13場所で15個の金星を配給し、協会に年間360万円もの“損害”を生んでいる。平幕に81連勝中の白鵬の「在位44場所で8個」とは大違いで、責任は重大だ。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は「心配していない。出るからにはやるしかない」と今後の出場を明言。だが、北の湖理事長(元横綱)は「考えすぎ。横綱なんだから自信を持っていかないと」と手厳しく、3連敗となると休場に追い込まれるのは必至の情勢だ。

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2014年11月13日のニュース