錦織 高かったフェデラーの壁「チャンス与えてくれなかった」

[ 2014年11月12日 05:30 ]

フェデラーとの対戦で天を仰ぐ錦織圭(AP)

男子テニス ATPツアー・ファイナル第3日

(11月11日 英国・ロンドン)
 1次リーグ第2戦で世界ランキング5位の錦織圭(24=日清食品)は、同2位のロジャー・フェデラー(33=スイス)に3―6、2―6のストレートで敗れた。ダブルフォールトを連発するなど初戦に続いてサーブが低調。ストロークにもミスが目立った。各組上位2人が進める準決勝の座を争い、13日の第3戦ではミロシュ・ラオニッチ(23=カナダ)と激突する。

 錦織の前に高く分厚い王者の壁が立ちはだかった。得意のリターンが機能せず、ストローク戦でも攻めは単発。ネットプレーも交えて自由自在に攻めるフェデラーを最後まで止められなかった。

 「ロジャー(フェデラー)は100%ではなかったと思うけど大事なポイントでチャンスを与えてくれなかった。1日休みがあるのでしっかり回復して次は勝ちたい」

 第1セット後にはメディカルタイムアウトを取り、テーピングを厚く巻き直す場面もあった。2週前の大会では何も巻いていなかった右手首の変調。初戦に続いてサーブが決まらず、ダブルフォールトは5本を数えた。第1サーブにも威力がなく、楽に奪えたポイントはほとんどなかった。

 フェデラーとの初遭遇は17歳のころ。米マイアミでの大会で、マネジメント会社が同じだった縁から当時世界1位のフェデラーの練習相手に指名された。常に見上げてきた存在を昨年5月の大会で初めて撃破。「彼を倒すことがテニス人生の一つの目標だった」と言うほど達成感は強かった。

 最終戦の大舞台でも、かつて憧れた存在を超えたかったが、フェデラーのインドアでの勝率は8割を超える。A・マリー、ジョコビッチを抑えて現役では最高の数字(錦織は5位)。高い技術と正確なストロークは、風や天候に左右されないインドアで100%発揮される。この日のフェデラーは余力たっぷりの表情で今季70勝に到達した。

 錦織にとって準決勝進出の懸かる第3戦は、今季5度目の対戦となるラオニッチだ。負けても1次リーグ突破の可能性はあるが、勝ってこそ道は大きく切り開ける。死闘を繰り返してきた宿敵との決戦に命運を懸ける。

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