岩田「悔しくて泣きそう」1打差でPOならず、初世界制覇消滅

[ 2014年11月10日 05:30 ]

最終ラウンド、2番でティーショットを放ちボールの行方を見詰める岩田寛。通算10アンダーで3位に終わった

世界ゴルフ選手権シリーズHSBCチャンピオンズ最終日

(11月9日 中国・上海 シェーシャン国際GC=7261ヤード、パー72)
 1打差の2位から出た岩田寛(33=フリー)は3バーディー、3ボギーの72で回り通算10アンダーでフィニッシュ。1打及ばずプレーオフ進出を逃したが、3位に入る大健闘を見せた。松山英樹(22=LEXUS)は75で通算3オーバーの41位。竹谷佳孝(34=エー・エム・エス)は通算18オーバーの73位。ティム・クラーク(38=南アフリカ)とのプレーオフを制したバッバ・ワトソン(36=米国)がツアー通算7勝目を飾った。

 決めればプレーオフに生き残る。18番、3・5メートルのバーディーパットはカップの右縁をなめた。米ツアー初優勝、日本人初の世界選手権シリーズ制覇が消えた。岩田は無念の表情で言った。

 「最後は入るイメージがめちゃくちゃあったけどイメージが強かった。今は悔しくて泣きそう」

 1打差で首位を追ったが「前半全然パットが入らなくて、我慢だと自分に言い聞かせた」。2番で2打目を池に入れてボギー。4メートル前後のチャンスを逃し続けた。「いろんなラインが見えて迷いながら打っていた」。だがキャディーから「目に力が入っている」と指摘され「ほどよく読んだら入るようになった」。

 11番で3・5メートルを沈めて息を吹き返すと、13、14番は2メートルを決めて連続バーディー。一時は4打に開いた首位との差を詰めた。15番は1打目を右の茂みに打ち込みアンプレアブルにしてボギー。だが17番で5メートルのパーパットを沈めるなど終盤まで優勝戦線で粘った。

 4日間の平均パット数1・581は全体2位。東北福祉大の同期・宮里優作も「(距離感を)アジャストしてくるしライン読みも凄い」とパットを絶賛する。学生時代から練習量も人一倍多かった。それでも04年プロ転向後は勝てないシーズンが続き、危機感を募らせていた。宮里には「33歳になって結果を出せないとヤバい。埋もれて終わる」と漏らしていた。

 浮上のきっかけは7月の全英オープン。19位で出た第2日の終盤2ホール連続ダブルボギーで予選落ち。「人生で一番悔しかった」。その屈辱を糧に9月のフジサンケイ・クラシックで国内ツアー初優勝。そして世界のトップが集まる世界選手権シリーズに初出場し、国内メジャー優勝賞金を上回る約38万ドル(約4400万円)を手にした。

 「このくらいの位置を何回も何回も経験していきたい」。12月の米下部ツアー最終予選会を前に手応えを得た。10日に帰国し、今大会勝者ワトソンも出場する三井住友VISA太平洋マスターズ(13日開幕)で凱旋する。

 ◆岩田 寛(いわた・ひろし)1981年(昭56)1月31日、仙台市生まれの33歳。シニアで認定プロの父・光男さんの影響で中3からゴルフを始める。東北福祉大卒業後、04年にプロ転向。06年に初シードを獲得し、昨年まで8年連続で保持。今年9月のフジサンケイ・クラシックで初優勝し、現在賞金ランク4位。1メートル77、74キロ。

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2014年11月10日のニュース